「パートナーエージェント」の佐藤茂社長インタビュー
── そうした結婚観の多様化に対してパートナーエージェントをはじめ、結婚サービス業界はどんな対応を打ち出されていらっしゃいますか? わたしたちは、「結婚したくても、機会がない人をゼロにしたい」と考えております。現在、婚活サービスは非常に多様化しております。マッチングアプリや、婚活パーティー、街コン、結婚相談所などですが、どのサービスが自分に合うかわからないと迷われるお客様もいらっしゃると思います。 非常にお忙しくされていて、婚活に時間が割けない、という方々には、当社のようなコンシェルジュのサポートがある結婚相談所は合っていますし、時間があり、コミュニケーション能力が非常に高い方であれば婚活パーティーが合うなど、お客様のニーズや普段の生活、価値観によってサービスは違ってくると思います。当社でもお客様のニーズにお応えするため、結婚相談所だけでなく、おとなの婚活パーティー「OTOCON」を運営したり、自治体の婚活事業をお手伝いさせていただいたりもしています。 お客様も十人十色、また時代は刻々と変化していますので、その時代にあわせたサービスの提供が必要だと考えております。結婚相談所だけに限って言うと、以前は会員数で競っていた時代もありましたが、最近では各社とも「成婚」を全面的に出しておられます。もちろん当社からするとライバルは増えておりますが、業界全体が良くなってきていると感じています。 ── 少子高齢化という社会の流れの中で、結婚関連サービスの将来性についてはどう見ておられますか? 近年は大手企業も、婚活業界に参入されています。例えば、ブライダル情報誌大手や人材紹介大手などです。これはこの業界に未来があると考えているからだと思います。 確かに少子高齢化の時代ではありますが、結婚そのものに対する価値観の多様化や時代背景を考えると、このサービスは今後も必要とされ続けると思います。結婚相談所はどうしてもネガティブなイメージがまだ残っており、「結婚できない人が行くところ」と思われている面があると思います。 しかし先日、当社で成婚退会された20代のご夫婦から「結婚したいから登録しました。結婚相談所って、結婚したい人が登録するところですよね」とのお声をいただき、大変うれしかったです。昔は人材エージェントが当たり前ではない時代もありましたが、今は違います。この業界もいつか当たり前に必要とされるサービスになる時代が来るのではないでしょうか。 ■パートナーエージェント(本社・東京品川区) 2006年9月設立。15年10月東京証券取引所マザーズ上場。資本金2億4211万円(17年10月末現在)。社員数367名(17年9月末現在)。専任コンシェルジュによる高い成婚率を実現する婚活支援サービスなどを展開する。