新アリーナ計画争点に 愛知・豊橋市長選に現職ら4氏準備 3日告示
愛知県豊橋市長選と市議補選(被選挙数4)が3日、告示される。再選を目指す現職の浅井由崇氏(62)に、元市議の長坂尚登氏(41)と元市議会議長の近藤喜典氏(45)、練り物製造業の蔵地雅彦氏(65)の新顔3人が挑む構図になるとみられる。いずれも無所属で、市選挙管理委員会によると、市長選に4人が立候補するのは、1996年以来約28年ぶりという。 【写真】多目的屋内施設が建設される予定の豊橋球場跡。解体工事が始まったグラウンドでは遺跡の発掘調査が続いていた=2024年10月9日、愛知県豊橋市今橋町の豊橋公園、戸村登撮影 豊橋公園で整備が進められている多目的屋内施設(新アリーナ)計画が争点の一つだ。 新アリーナは、市が豊橋公園で計画する収容5千人以上の多目的屋内施設で2027年10月に開業予定。公園東側の整備や30年間の維持管理費を含む総額約230億円の事業費を見込んでいる。 新アリーナ計画は、前回の4年前の市長選で争点となった。元々は3期を務めた佐原光一前市長が進めていた計画で、現職の浅井氏は、「豊橋公園での整備計画を白紙に戻す」と訴えて、初当選した。 だが、市は22年5月、交通の便などを理由に、建設候補地に豊橋公園を選んだと発表。その後、住民グループが2度に渡り、計画の賛否を問う住民投票条例の制定を求める動きを見せた。結局、計画に賛成の自民党会派が多数を占める市議会で、議案が否決され、計画は進められている。 浅井氏は、前回の選挙で「白紙に戻す」と訴えた当時の計画と、市長当選後に自らが進める計画は「全く違う」と説明。長坂氏は豊橋公園での計画の「契約解除」を訴え、蔵地氏も計画に反対の立場だ。近藤氏は計画に賛同するものの、浅井氏の説明不足を指摘する。今回の市長選は、市民自らが計画への賛否を間接的に示すことができる機会となりそうだ。 市長選へ立候補の意向を表明していた鈴木健太郎氏(62)は健康上の理由で出馬を取りやめた。 市議補選も予定され、前職2人、元職1人、新顔7人の計10人が立候補の準備を進めている。両選挙とも投開票は10日。10月27日時点の選挙人名簿登録者数は29万3042人。(戸村登)
朝日新聞社