<独自>温室ガス削減7%に貢献 アイリスオーヤマが省エネ新サービス開始へ【WBS】
生活用品などを手掛ける「アイリスオーヤマ」が、新たな省エネサービスを11月に始めることがテレビ東京の取材で分かりました。このサービスは、日本のCO2など温室効果ガス削減目標のうちの7%分に貢献することになるというものなのですが、一体どんな事業なのでしょうか。 東京・江東区の「西友東陽町店」。年中無休24時間営業が売りですが、その分光熱費が大きな負担となっていました。そこで去年、特殊な照明システムを導入しました。 「冷蔵ケースの上と通路で明るさの出力を変えていて、タブレットを用いてスイッチのオンオフ、あとは出力、調光の割合をコントロールできる」(「西友」スペースイノベーション部の安東伸弥部長) この照明システムによって列ごとの光度の調整が可能になり、人が通らない棚の上の照明は少し暗くできます。また、事前にタブレットで設定することで、時間帯によって光の強さを自動で調節できるようになりました。西友東陽町店では蛍光灯を使っていたときに比べ、消費電力を70%削減できたといいます。 「光熱費のランニングコストを下げたことで、客に提供する商品の価格をより魅力的な価格に設定するなど、いろいろな形で客にも還元できる」(安東部長) 実はこの店の照明を制御する仕組みは、生活用品を販売するアイリスオーヤマが提供しているサービスです。そのアイリスオーヤマが新たな省エネサービスを始めます。
アイリスオーヤマの本所翔平本部長がテレビ東京の取材に明かしたサービスが「エネバース」。来月11月から運用を始めます。 これまでアイリスが個別で手がけてきたLED照明や空調制御など、省エネにつながる商品やサービスをまとめて提案。導入企業は、電力の削減状況をクラウド上で管理できる新たな仕組みです。他社などの省エネ関連サービスに比べ、製品開発からシステムまで一気通貫で手がけていることが、アイリスの強みです。 約40万の物件にこのエネバースを提案。その結果、政府が2030年度までに2013年度比で46%減らすとしているCO2など温室効果ガスの削減目標においても、「削減量のうち7%ぐらいをエネバースの事業で達成したい」(本所本部長)といいます。 これまでもアイリスの省エネサービスを導入してきた西友に、早速アイリスの社員による新サービス、エネバースの売り込みがありました。 「全部一括管理ができるのは使い手、従業員としても非常に使いやすいのは魅力的」(西友の安東部長) アイリスの去年1年のグループ全体の決算は2期連続で減収。物価高の影響などで主力の家電事業が伸び悩んでいました。この現状を打破するため、こうした法人向けの事業を加速させる考えです。 「2030年の段階でこのエネバースというサービスで500億円の規模まで成長させていきたいと考えている」(本所本部長) ※ワールドビジネスサテライト