《ススキノ首切り事件》「娘の心が『ゾンビ妄想』で壊れることが恐ろしかった」…精神科医の父が警察に通報しなかった「衝撃の理由」
飾っていた「奴隷宣言」は「お札」だった？
「(瑠奈に書かされた)『私は奴隷です』という紙(奴隷宣言)は『お札』。(瑠奈が)興奮していた時に、『書いて』と言われ、字が綺麗な浩子に書いてもらった。(瑠奈から)『貼っておけ』と言われたので、貼っていると(瑠奈は)落ち着きました」 【マンガ】「一緒にお風呂入ろ」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性の「罪悪感」 娘から書かされた『奴隷宣言』について、田村修被告(60歳)は「荒ぶる神様を鎮めるお札」と表現した――。 2023年7月、北海道一の歓楽街、札幌・ススキノで起きた猟奇殺人事件。死体損壊ほう助などの罪に問われていた妻・浩子被告の第2回公判が7月1日、札幌地裁で行われた。 冒頭の修被告の証言は、弁護側の証人尋問内で語られたものだ。 事件では、娘の瑠奈被告(30歳)が、クラブで出会った当時62歳の男性会社員のAさんをラブホテルで殺害。首を切断し、頭部を自宅に持ち帰り、さらに損壊している様子を修被告に撮影させていたことは、すでに報じられている。 一家ぐるみの猟奇的な所業に、世間は大きな衝撃を受けた。
「瑠奈ファースト」の親子関係の内実
「6月4日の公判では、瑠奈と両親の親子関係についても言及されていました。中でも驚いたのは、母親に対して『奴隷宣言』をさせ、その宣誓書をリビングの見える位置に飾っていたことです」(傍聴した週刊誌記者) 弁護士から「瑠奈から支配されていた。奴隷のように扱われていたのか？」と問われると、修被告は「これは娘の精神状態を話さなければならない」と前置きをしたうえで、次のように答えた。 「娘(瑠奈被告)の心がこれ以上壊れないようにしたくて、どのように接するのがいいかを考えて行動していた。(奴隷扱いを)無理強いされたり、暴力で支配されていたわけではない」(修被告) 浩子被告の初公判で、検察は冒頭陳述で「家族の中では瑠奈被告が圧倒的な上位者、両親は奴隷扱いをされても叱ることはせず、『瑠奈ファースト』の親子関係が形成されていた」と述べていた。 幼少期から溺愛され、幼少期から叱ることはなかったとされていたが、修被告はこれに反論。「少なくとも瑠奈被告に『ゾンビ妄想』が出始める前はそれなりにしつけていたつもり」と訴えた。
