「ラリージャパン」は2028年まで豊田市で開催延長 「名古屋の中心部でセレモニアルスタートを」の声も
世界ラリー選手権の日本戦「ラリージャパン」が2028年まで愛知県豊田市を拠点に開催されることがラリージャパン実行委員会から発表された。一時は競技ルートの東北移転説がささやかれていたが、今後4年間は引き続き東海エリアで開催されることが保証されたことになる。 2022年の復活開催以来、豊田市にある豊田スタジアムに大会本部やサービスパークが置かれているが、これは大会運営の主体が23年から地方自治体でもある豊田市に変わったことが大きく影響している。 それまでの運営母体は自動車関連雑誌を出版する三栄のグループ企業「サンズ」が請け負い、20年から愛知、岐阜の両県を舞台に開催する計画だったが、新型コロナウイルス禍で同年から2年連続で開催中止に。22年に念願の開催にこぎつけられたものの、WRC側との契約満了に伴い、豊田市に運営が引き継がれた。 当初は愛知県長久手市のモリコロパーク(愛・地球博公園)にサービスパークを設置し、敷地内の道路を使ってスーパースペシャルステージが実施される計画だった。さらにスタート地点となるセレモニアルスタートも名古屋城がある名古屋市の名城公園を想定していた。 ただ、当時からモリコロパークにはジブリパークの建設計画があり、いずれは別の会場に移る必要はあった。結果的にWRCにもワークスで参戦するトヨタ自動車のお膝元でもある豊田市に落ち着き、豊田スタジアムが活用された。 昨年はトヨタ自動車の豊田章男会長の鶴の一声もあり、スタジアム内のピッチを改修し、スーパースペシャルステージのコースを設置。改修費は約3億円といわれるが、好評だったことから今年も継続して同スタジアム内を使って競技が実施されることになっている。 セレモニアルスタートも2年連続で豊田スタジアムで行われたが、地元のラリー関係者は「セレモニアルスタートを名古屋の中心部でできないかという声はある。日本ではラリーの認知度が低く、一般大衆に周知していくためには大都市の一般道でラリーカーが走っているところを見せたい」と訴える。名古屋市は市長だった河村たかし氏が国政に復帰し、間もなく市長選が行われる。今後は次期市長の方針次第ながら豊田市側と協調し、セレモニアルスタートの名古屋招致を求めて来る可能性はある。 もちろん、移動区間の渋滞も予想されるためルート設定が難しい一面はあるものの、開幕戦モンテカルロラリーはサービスパークがスタート地点となるモナコ国内のカジノ広場から300キロ以上も離れているフランス南部の小都市ギャップにある。名古屋―豊田間の距離は約40キロで、WRCの尺度では決して遠距離ではない。 名古屋城天守の木造再建が本格的に始まる前に、ラリーカーと現・天守閣が同じ画角に入るシーンを実現させたいものだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]