国民民主「年収の壁引き上げ」に総務省も税収減4兆円と及び腰…《国民に還元を》の願いは届くのか
衆院選以降、存在感を発揮している国民民主党。同党が掲げる「年収103万円の壁」の引き上げに対し、村上誠一郎総務相(72)は5日の閣議後会見で、国税の所得税と同様に地方税の個人住民税の基礎控除額を引き上げた場合、約4兆円の減収が見込まれるとの試算を公表した。 【写真】国民民主党に突然“モテ期”到来…与野党の“誘い”に玉木代表ハイテンション 年収の壁の引き上げとは、基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計である103万円を超えると所得税などが発生する現行制度を見直し、この額を178万円まで引き上げて税負担の軽減を図ろうというものだ。 国民民主の玉木雄一郎代表(55)が「国民の皆さんの手取りが増える」と主張しているのに対し、政府(財務省)は国と地方を合わせて7兆~8兆円の税収減になると試算。総務省の「4兆円減収」もこれに沿った形で、ネット上では《国民民主は税収減の財源を示せ》《他の税が引き上げられる》といった意見が飛び交っている。 ■搾り取る事ばかり考えるのはいい加減やめて…が国民の願い その一方で多く見られるのが《税収減だから何?》《減るなら減った財布の中で政策を考えればいいのではないか》との投稿だ。 財務省が公表した2023年度の国の税収は72兆761億円で、2年連続で70兆円超え。前年度よりも9388億円も増え、4年連続で過去最高を更新したものの、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、今年8月の実質賃金は3カ月ぶりのマイナスだ。 実質賃金は5月まで26カ月連続マイナスの過去最長を更新していた。過去最高の税収が続いていたからと言って、国民生活が潤うわけではない。ということは今後も国民はひたすら税金を取られるだけになりかねない。ならば大幅に増えている時ぐらいは「国民生活のために少しは還元してほしい」というのが賛成派の思いのようだ。 「民疲弊すれば国荒廃し、民豊かになれば国栄える」。江戸時代後期の1837年(天保8年)、餓死者の救済を奉行所に嘆願したが受け入れられず、「救民」を掲げて決起した大坂町奉行所の元与力、大塩平八郎の持論とされるが、まさに「闇バイト」事件が続出している今の日本は「民疲弊すれば国荒廃し」と変わらないだろう。 搾り取る事ばかり考えるのはいい加減、やめてほしいというのが国民の願いだ。 ◇ ◇ ◇ 衆院選で躍進した国民民主。関連記事【もっと読む】《国民民主が唱える「103万円の壁」解消に政府が喧伝…“金持ちほど恩恵”のレッテル貼りはマヤカシ》【さらに読む】《国民民主党「“年収の壁”178万円に引き上げ」早くも腰砕け…識者が説く財源不足の一気解決策》を取り上げている。