重岡銀次朗が元世界王者ペドロ・タドゥランとV3戦 …7月28日、滋賀県で初の世界戦
◆プロボクシング ▽IBF世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・重岡銀次朗―同級1位ペドロ・タドゥラン(7月28日、大津市・滋賀ダイハツアリーナ) IBF世界ミニマム級王者・重岡銀次朗(ワタナベ)の3度目防衛戦の概要が29日、発表された。7月28日、滋賀・大津市の滋賀ダイハツアリーナで、元IBF世界王者で同級1位ペドロ・タドゥラン(フィリピン)の挑戦を受ける。今回は指名試合で、滋賀県での世界戦開催は初。 戦績は24歳の重岡銀が11勝(9KO)1無効試合、27歳のタドゥランが16勝(12KO)4敗1分け。 この日、東京・品川区のワタナベジムで、同ジムの渡辺均会長、元世界3階級制覇王者でプロモーターの3150FIGHT・亀田興毅ファウンダーとともに記者会見に臨んだ重岡銀は「メインイベントでやりたかったので、気合が入っている。メインを僕が張る。今まで以上に盛り上げないと。しっかり防衛したい」と意欲を示した。 挑戦者のタドゥランは元IBF世界王者。現在、IBF1位のほか、WBCで5位、WBOで10位にランクされている、身長160センチの左ファイターだ。2019年9月、2度目の世界挑戦となった王座決定戦でIBF王者となると、2度の防衛に成功。21年2月、レネ・マーク・クアルト(フィリピン)に判定負けして王座から陥落した。22年2月にはクアルトとの再戦に負傷判定負けして王座奪回はならなかったが、23年12月にジェイク・アンバロ(フィリピン)とのIBF王座挑戦者決定戦に判定勝ちして再び世界切符を手にした。 重岡銀は23年4月、タドゥランが2度戦って勝てなかったクアルトに9回KO勝ちしてIBF世界暫定王座を獲得すると、同年10月には、正規王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)に5回TKO勝ちして王座を統一した。今年3月にはアンバロを2回KOで退けて2度目の防衛に成功した重岡銀はタドゥランについて「好戦的で今までやって来た中でも強い選手。KO負けがないということで頑丈だろうなと思うが、自分はいつもKOを狙っている。どう倒して、勝てるか。根性のある選手を倒してこそ評価される」と気合を入れた。 重岡銀はクアルト戦のKO勝利が評価されて、IBFから年間表彰を受けた。今月、プエルトリコ・サンフアンでの授賞式に臨んだが、その際にはWBO世界ミニマム&ライトフライ級の元2階級制覇王者イヴァン・カルデロン氏のジムで練習する機会があり、同氏から指導を受けた。「頭を振れ、動き続けろと言われた。課題にしていたディフェンスのヒントになりました」と収穫があったことを明かした。今後はフィリピンからサウスポー2人を招へいしてスパーリングで腕を磨いていく。 滋賀県で初の世界戦を手がける亀田ファウンダーは「これまで東京、大阪で世界戦を行ってきたが、地方を回って世界戦を生で届けたいと思う。銀次朗の試合を見て、子供たちに憧れてもらえるようになれば」と抱負を語った。今回は前WBC世界同級王者で銀次朗の兄・優大(ワタナベ)の試合はないが、銀次朗は「兄にはセコンドに入ってもらいたい」と話す。「指示が的確。的を射ることを言ってくれるので心強い。滋賀県での試合ということで行ったことのない所で試合をやる。自分のボクシングを見たこともない人も来るだろうし、メインイベンターとして責任を持って会場を盛り上げる。熱い試合を見せたい」と話した。 「海外進出とか夢を色々と聞いている。いずれ優大も復活するだろうし、いつかそういう場を設けたい」と渡辺会長。亀田ファウンダーは「銀次朗には13連続防衛や統一戦をクリアしてもらいたい。重岡兄弟がそろった時には、2人の故郷・熊本で世界戦をやりたい」と夢を広げた。
報知新聞社