学業でも野球でも夢を追い続ける ~東京工業大学野球部の奮闘~
上位進出の切り札・槙野凱一
現在、唯一の1年生の槙野の秋季リーグでの活躍は東工大野球部の大きな収穫といえる。春はあまり球速もでず、出場機会はなかったが、秋は7試合に登板し、防御率2.43の好成績を残した。槙野は野球について「高校でやめようと思っていた。いざ(大学に)入ってみたらやりたいと思った。本当に軽い気持ちで始めた」と振り返る。それでも、入部すると熱心な先輩に触発され、今では野球に再びのめりこんでいる。東工大野球部の今季の戦いぶりについて「ピッチャー陣が頼りなさすぎる。防御率も他のチームと比較して圧倒的に悪い」と話す。来年の春季リーグは清谷直生投手(3年、県旭丘)とともに先発としてチームを引っ張る覚悟だ。「0点に抑えれば負けることはない。やられっぱなしは嫌。やり返して終わりたい」。
大学で野球を続けたわけ
大学でスポーツを続ける選手は決して多くはない。東工大野球部で野球を継続した理由も部員それぞれだ。児島は「興味があることをやり続けたい。野球も興味があるからやっている。自分が今専攻している分野にも興味があるからやっている。仕事に就く場面になっても常に興味・関心を抱きながら取り組んでいきたい」と話す。一方で、堀部は「自分の目標に向かってやり抜くことが大事。自分はやると決めたことを4年間続けることが大事だと思う。何か一つ目標を作ってそれに向かって頑張りたい。スポーツでも何でも良い」と話す。野球を継続する予定でなかった槙野も入部によって「人との繋がりを作る上では良かった」と振り返る。それぞれが異なる目的で入部して、異なる思いを持った選手が集まる東工大野球部。それでも、皆が4部優勝、3部昇格を目指して練習に取り組んでいる。異なる立場の選手が集まり、工夫を重ね勝利を目指す大学スポーツの魅力の一端が垣間見える。
写真提供:東京工業大学野球部 文責:円城寺雷太