<ドラマアカデミー賞>監督賞は“かぞかぞ”大九明子監督『本物にこだわり身近に岸本家を感じていただけた』
2024年7~9月放送ドラマを対象に開催した第121回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。監督賞は、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(NHK総合ほか)、を手掛けた大九明子監督が受賞した。 【写真】受賞トロフィーを手にする大九明子監督 ■作家・岸田奈美の家族を巡る自伝的エッセーをドラマ化 タイトルを略して“かぞかぞ”とも呼ばれた同作は、河合優実主演で作家・岸田奈美の家族を巡る自伝的エッセーをドラマ化。父が急逝、母は車いすユーザー、弟はダウン症など“家族”に向き合い続けた一家の物語を描いた。 投票コメントでは、「ユーモアが秀逸」「人物の感情とリンクするエモーショナルな映像」と独特の演出は評価された。 ■大九明子監督「身近に岸本家を感じ、共感していただけた」 受賞インタビューに登場した大九監督は、「映画に携わることが多い私が、テレビドラマの監督賞を頂けるなんて感激です」と語り、「普段、作品について話さない監督仲間や知り合いから『見てるよ』と声を掛けられ、テレビの持つ即時性の高さを改めて感じました」と作品への反響を明かした。 家族を巡る物語だったが、「本作をいわゆるファミリードラマにはしたくないという思いは最初からあり、そして原作者である岸田奈美さんが描くエッセーの力と何でも面白がろうとする岸田さんご自身の人間力をヒントにして、現場に臨んでいました」と大九監督。「岸田さんの暮らしを取り巻く要素が本当にすてきだったので、たくさん力を頂いた気がします」とも語った。 主人公・七実(河合)の弟・草太役には、自身もダウン症のある俳優・吉田葵を配役。連続ドラマのメインキャストにダウン症のある俳優が名を連ねるのは日本初。それも含め「今回はあくまでも本物にこだわって作っており、だからこそ視聴者の方がドキュメンタリーのように身近に岸本家を感じ、共感していただけたのだと思います」と振り返った。