県産高級ブドウ「ルビーロマン」 最高額は6年連続加賀産 生産組合が報告
県内最大のブドウ産地である加賀市豊町の豊町果樹生産組合は6日、山下弘蔵組合長ら組合員4人が市役所に宮元陸市長を訪ね、県産高級ブドウ「ルビーロマン」の今季初競りで最高額100万円の値を付けた1房が市内産だったことを報告した。ルビーロマンは海外流出の防止などを理由に生産者などは明かされていないが、産地については公表された。 【写真】1房100万円で競り落とされたルビーロマン=7月、金沢市中央卸売市場 7月19日に金沢市中央卸売市場で行われた今季初競りでは、実1粒の重さがおおむね30グラム以上の等級「特秀G」の1房が市内産だった。同25日の東京35万円、26日の大阪30万円の最高落札額も加賀で栽培されたという。 市によると、金沢の初競りで最高額を付けたのは6年連続で市内産だった。2019年に120万円、20年に130万円、21年に140万円、22年に150万円、23年に160万円だった。 この日の訪問で、山下組合長らは今年度からルビーロマンのハウスに導入した自動巻き上げ装置や自動草刈り機、2016年から実証実験、21年から本格運用する温度、湿度、照度、土壌水分の計測センサーを使った生産管理の状況などを説明した。IoT(モノのインターネット)を活用したスマート農業の成果を強調した。 今年は5月の高温で実の水分が抜けてしぼむ影響もあったが、その後の少雨で順調に成長しており、例年より多い出荷量が見込まれるという。 山下組合長は2、3週間に1回のペースで生産者の勉強会を開き、情報交換しながら互いに研さんを重ねてきたことを紹介し、「地域の生産者で力を合わせて質の高いブドウを出荷していきたい」と話した。宮元市長は「加賀市産のルビーロマンが高い評価を受けていることをもっと広く知ってほしい」と喜んだ。