「運転が上手くなる」スバル「WRX S4」のチューンは結果として疲れない! STIの最新フレキシブルパーツ群を試しました【デモカー試乗】
フレキシブルパフォーマンスホイールは前後それぞれ剛性を最適化
それらを実現するべく、スペシャルなパーツを投入された限定車がスバル「WRX S4 STI Sport #」である。2024年1月に500台限定で発売されたスペシャルモデルだ。 STIではボディを補強して固めるのではなく、ボディやサブフレームにあらかじめ力を加えておいて、応答遅れを防ぐフレキシブルパーツ群を提案してきた。それらに加えてWRX S4 STI Sport #に採用されたのが「STIフレキシブルパフォーマンスホイール」だ。 これはホイールの剛性を前後それぞれに合わせて最適化したもので、同サイズのホイールながらフロント用とリア用がある。フロントホイールはタイヤがたわみやすく、接地面積を増やす。リアホイールはタイヤのサイドウォールのたわみが小さくなるようにして反発力を引き出す。 乗ってみると、たしかにフロントタイヤはしっとりと路面に接地していることが伝わる。路面に柔らかく接していて、グリップを引き出している。低速からクルマがスッと向きを変えてくれて乗りやすい。荒れた路面で攻め込んでみてもグリップがスッポ抜ける瞬間がない。タイヤが路面を捉えている感が伝わる。 リアタイヤはサイドウォールが潰れずにレスポンスしてくれるので、向きを変えるときにリアタイヤが反応してくれてスムーズに向きが変わっていく。
ごく微小なハンドル操作からクルマが反応してくれる
WRX S4 STI Sport #はすでに完売となっているが、もう1台のデモカーである「WRX S4 STI Sport R EX STI Performance」は、カタログモデルに「フレキシブルタワーバー」などのSTI市販パーツを装着したもの。 フレキシブルタワーバーは左右バーの中心がピロボール化されていて、コーナリング時には踏ん張るが路面からの外乱の力は逃がすように設計されている。 「フレキシブルドロースティフナー フロント」はクロスメンバーをスプリングによって引っ張り、ブッシュによるヨレを消しておくことでハンドル操作に対する反応を高めてくれるパーツ。「フレキシブルドロースティフナー リア」はフレーム自体にテンションをかけることでシャシーのしなりを補正し、操舵に対してクルマの反応が良くなる。 こうしたパーツを装着することで、ハンドル操作をごく微小にしたところからクルマがわずかに反応してくれることが伝わる。それは決して大げさに反応するピーキーなものではなく、遅れがなくリニアに反応してくれるものだ。 そのためワインディングロードに見立てたクローズドコースで思い切ったスピードで進入していっても、不安感なく向きを変えていける。サーキットではなく、普段乗りやワインディングでこそ、その性能を発揮して変化を感じ取ることができるパーツ。それは疲労の軽減にもつながり、運転の楽しさもアップしてくれる。装着することによるデメリットがない優れたパーツなのだ。
加茂 新(KAMO Arata)
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