「大企業での仕事がつまらない!」 やりがいを重視して転職する人に待つ転職市場のリアル
会社員のステータスとして、大企業勤務は非常に魅力的で憧れる人もいるでしょう。しかし、大企業勤務は待遇面では恵まれているかもしれませんが、組織として確立しており個人の裁量も小さく、やりがいを感じないかもしれません。 そのため、大企業に勤めている人で中小企業への転職を考える方もいるでしょうが、やりがいだけを求めての転職は必ずしもよいことばかりではありません。本記事では、大企業から中小企業へ転職する場合のお金に関わるポイントを紹介します。
大企業と中小企業の給与比較
参考として、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」より、大企業と中小企業の令和4年6月分に支払われた所定内給与額の平均を見ていきましょう。 ・大企業……男女計:34万8300円、男性:38万6600円、女性:27万8200円 ・中企業……男女計:30万3000円、男性:33万1200円、女性:25万7000円 ・小企業……男女計:28万4500円、男性:30万8100円、女性:24万1300円 やはり企業規模が大きいほど、給与水準が高いことが分かります。 上記の結果から、企業の規模が小さくなるほど給与額が下がることが分かります。しかし、中小企業では大企業よりも裁量が大きく、やりがいを得ることができるかもしれません。 その一方で、マニュアルが整備されておらず、教育システムが確立していないことも多く、大企業と比べて負担が増えることが考えられ、単純に仕事のやりがいだけを重視すると、お金も時間もなくなってしまうリスクがあります。
大企業から中小企業へ転職するときのお金のポイント
大企業から中小企業に転職すると、意外なリスクが潜んでいます。やりがいがあっても、それが負担となるのに、待遇が少なくなり生活が苦しくなってしまっては本末転倒になってしまうかもしれません。そこで、大企業から中小企業へ転職する際のお金に関わるポイントを紹介します。 ・日々の収支をしっかり管理 データが示す通り、収入が少なくなる可能性が高いです。収支管理をしっかりしないと満足のいく生活ができなくなります。 ・時間が空くなら副業・リスキリング 落ちた収入を補うために副業を始めたり、資格の習得に励んでみたりしましょう。中小企業は、大企業よりも昇給幅が小さい可能性があるので重要です。 ・福利厚生 大企業は、福利厚生が充実していることが多いです。住宅手当や食事の補助、割安で観光地に宿泊できたりスポーツジムなどを利用できたりします。大企業を退職すると、これらの福利厚生を手放すことになります。 これらのことを、大企業から中小企業に転職するときには十分考慮する必要があります。特に福利厚生は大企業ならではの部分も大きく、転職したとたんに自分の状況がハードになってしまう可能性があるので注意しましょう。 そして、どの企業にもいえることですが、慢性的な労働力不足が続いています。大企業勤務の実績から、待遇以上の労働力を求められる可能性があることもあるかもしれません。
まとめ
本記事では、大企業から中小企業へ転職する場合のリアルを紹介しました。どのような仕事も決して楽ではありませんが、大企業勤務は、待遇・福利厚生が恵まれており中小企業にはない魅力があります。仕事においてやりがいは非常に重要ですが、やりがいだけを求めての転職には、失うものが少なくないことを留意しておきましょう。 出典 厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査概況 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部