米国債相場、「タカ派的な利下げ」で急落-来年の緩和予想が後退
米国債市場では、2年債利回りが11bp上昇して4.35%となり、財務省短期証券(Tビル)3カ月物の利回りを23年3月以降で初めて上回った。一段と長期の国債利回りの上昇幅は相対的に小幅だったものの、指標の10年債利回りは約4.43%と9月半ばから約80bp上昇している。
最新の経済予測では、25年の経済成長率とインフレ率の見通しを9月時から引き上げた一方、失業率の予想は引き下げた。ただ、債券投資家はトランプ次期大統領が提唱する税制政策が成長とインフレの両方を刺激する可能性に留意している。
10月の米個人消費支出(PCE)総合価格指数は前年同月比で2.3%上昇した。20日に発表される11月のPCE総合価格指数は同2.5%上昇、変動の大きいエネルギーと食品を除くコア指数は同2.9%上昇が予想されている。
ウェリントン・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ブリジ・クラナ氏は「国債利回りの上昇は、11月の米大統領選挙でのトランプ氏当選を受けて予想されていたことだ」とし、「インフレ率が現在の水準にとどまれば、米金融当局は来年、政策金利を据え置くだろう」とコメントした。
原題:Bonds Slump as Fed Gives Traders Reason to See Fewer 2025 Cuts(抜粋)
--取材協力:Ye Xie.
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Michael Mackenzie