なぜ米メディアは侍J「プレミア12」Vを“無視”したのか?
野球の世界一を決める「プレミア12」は、日本が決勝戦で宿敵の韓国を破り初優勝でフィナーレを飾った。決勝戦の平均視聴率は関東地区で18.8%(開始から午後10時3分まで)、瞬間最高視聴率は29.6%をマーク。日本でのスーパーラウンド開幕時はガラガラだった観客動員も土日は4万人を超えほぼ満員の状態をキープし、大会は興行面でも成功に終わったと言える。だが、野球の本場米国を始め、欧米メディアでは、プレミア12及び、侍ジャパンの世界一のニュースは、ほとんど取り上げられなかった。東京五輪の出場権のかかった台湾と韓国のメディアは、用意された海外メディア用の記者席が足りなくなるほど多数訪れ、それぞれの国で報道された。だが、欧米メディアで日本の優勝を報じたのは五輪を扱う専門メディアくらいだった。 ちなみにその記事を紹介すると、米国アトランタ発の五輪専門メディアの「アラウンド・ザ・リングス」は「プレミア12で日本に黄金の夜」との題名で「日本が東京ドームの超満員の地元ファンの前で韓国を5-3で押しのけ金メダルを勝ち取った」と報じた。 日韓戦が、2日連続で行われていたことを紹介し、「前日のスーパーラウンドの最終戦(10-8で日本勝利)では、両監督がレギュラーに休養を与えるため、多くの控え選手が起用されていたが、決勝戦は両チームの最高の選手が起用された。今大会で、どのチームが優れていたかを示すような戦いで、4年前の大会の準決勝で韓国に敗れていた日本のベストプレーヤーたちは、今回、自分たちの使命を果たすため代表に加わり、稲葉篤紀監督の指揮のもと役割を果たした」と絶賛した。 また英国の五輪専門サイトである「インサイド・ザ・ゲームズ」は、日本のタイトル奪取と、メキシコが東京五輪出場権を得たことを伝え、「日本が韓国を破り来年の東京五輪2020での野球競技へ向けて理想的な肩慣らしとした」と報道した。 日韓戦では両チームの「大きなプライドがかけられ」山田哲人の2回の逆転3ランで韓国が苦しい戦いを強いられ、日本の6投手が2回以降、8イニングをわずか3安打に抑え、大会MVPに鈴木誠也が選ばれたことも紹介された。