インドネシア戦でプレーするサッカー日本代表の守田英正　撮影：中地拓也

　11月19日、サッカー日本代表は2026FIFAワールドカップアジア最終予選の第6戦として中国代表と対戦する。その試合を翌日に控えた18日、守田英正中国・厦門で取材に応じた。 ■【画像】「修学旅行感みたい」「めちゃめちゃ楽しい男子校のノリ」日本代表27人が乗ったチャーター機内の「仲良すぎショット」■ 　インドネシア戦から中3日で迎える中国代表との試合。現在の森保ジャパンはグループCで首位を快走しており、ここでさらに勝点3を積み上げればW杯出場に大きく前進する90分となる。 　そんなチームの軸となっているのがダブルボランチの遠藤航と守田英正だ。大雨の中で行われたインドネシア戦では90分間フル出場して、難しいアウェイゲームで勝利をもたらした。 　そんな守田にアウェイ・中国戦について聞けば、「ホームなので勝点3を取りに来るんでしょうけど、引き分けでもいいって思っているのであれば、より攻守でやらせないような戦い方をしてくるでしょうし、最初の5分・10分で相手の出方を見て、その時の狙いは分かる」と話して、相手の出方を見ながらゲームメイクをするイメージだ。 　存在感を増す一方の守田は中心選手としての自覚があるかを聞かれれば、「ありますね」と言い切ったうえで、「年齢もそうですし、森保さんが監督になってからずっとやってきた一人なので、以前よりその気持ちは強いです。プレーで見せるのもそうですし、あとは言葉や自分の態度みたいなものでチームを引っ張っていければいい」と力強く語る。

■鬼木達監督に「すごい経験をさせてもらった」

　守田は現在、ポルトガルの強豪・スポルディングに所属しているが、その礎となったのがJ1・川崎フロンターレだ。その古巣は、ここまで8年間にわたってチームを率いてきた鬼木達監督の退任が発表されている。 　守田にその思いを聞けば、「僕はプロ1年目から3年間お世話になりましたし、タイトルを取らせてもらったりだとかすごい経験をさせてもらったので、ありがたいですね。“ありがとうございます”っていう素直なそれだけです」と感謝の気持ちを語る。その恩師のすごみについては、「全部すごい」とも話していた。 　今の日本代表には、多くの川崎フロンターレ出身者がいる。板倉滉、三笘薫、旗手怜央、田中碧がそれで、現在所属している高井幸大と、今回、離脱していた谷口彰悟もいる。いわばこうした“鬼木チルドレン”が日の丸の舞台で活躍することは、恩師への何よりの恩返しとなる。 　17日に中国・厦門市内での練習後、関根大輝（柏レイソル）は「一日も早くA代表のピッチに立ちたい」と意気込んだが、その成長を後押しするのが元川崎所属の選手だという。 「守田くんとか碧くんとか怜央くんとかフロンターレ組に聞かせてもらってて参考になりますし、海外サッカーの話とかを聞かせてもらって面白いですし、前回の召集時よりも濃い時間になっています」（関根） 　パリ五輪世代の選手にも好影響を与える守田だが、さらに、チームと個人を生かすための“葛藤”についても語った――。 （取材・文/中地拓也） （後編へ続く）