〈石破茂首相のXデーは…〉まずは11月11日、その次が…国民民主党の玉木雄一郎代表の矛盾を政治ジャーナリストが指摘「ここから日本は“政治的混乱期”に入る」
石破茂首相のXデーは2025年の3月31日か?
今後は、年内の補正予算で、ガソリン代値下げのためにトリガー条項の凍結解除を決め、年明けには、国民民主が訴え続けた所得税減税のための、基礎控除等を103万円から178万円に引き上げる法案を推し進めることになりそうだ。 「2025年1月末に通常国会が始まり、来年の本予算の審議が行われます。ここでも、国民民主に賛同してもらう必要があります。本予算ですから、玉木氏は大本命の『103万円の壁』をぶつけてくるでしょう。 この法案が通れば、年収600万円の人が年間約12万円の減税になります。しかし、実現するためには8兆円の財源が必要です。 玉木氏は、『税収が上がっているから、上振れ分で支払う』と言っていますが、では、税収が下がったら元に戻すのか。明確な財源を示せないのであれば、国民が喜ぶ法案を言って票集めをしていた、かつての民主党政権を思い起こしてしまう。 現在の玉木氏の見通しでは、自民党内で『それは厳しいのではないか』と反対の声が必ず出るはずです」 石破氏は法案を通したい。少数与党としては通さざるを得ないからだ。しかし、党内の声を無下にすれば分裂しかねない。そこで、苦渋の決断を迫られそうだ。 「石破氏は身を差し出し、総理退陣を条件に予算を通してもらうのではないでしょうか。予算の締め切りは3月31日。その日までに予算を成立させないと、新年度の経済を動かせずに、行政がストップしてしまいます」 2025年の3月31日が石破氏のXデーになってしまうのか。 続けて、「ここから日本は”政治的混乱期”に入る」と平井氏は指摘する。 「日本は、1年ごとに首相が代わる”政治的混乱期”に入った可能性があります。12年間一人勝ちだった自民党に驕りがあり、収支報告書の不記載問題もそのひとつだ。ここから、蓄積した膿を出し切るために、しばらくはどう転んでも混乱期が続くのではないか」 取材・文/山田千穂
山田千穂