中国国内新興化粧品ブランドの淘汰加速
【東方新報】最近、中国の化粧品ブランドVNKが天猫(Tmall)の旗艦店を閉店し、その他のオンラインチャネルも更新停止または販売停止となっている。 昨年から、多くの新興美容ブランドが倒産している。業界関係者によると、現在の美容市場は急速に変化している。かつて人気だったブランドが閉店や在庫整理に追い込まれるのは、市場全体の調整プロセスの一部であり、必ずしも悪いことではない。 VNKは新興本土美容ブランドの中で優れた存在だった。2016年に上海に拠点を置く化粧品ブランド「稚優泉(Chioture)」がセカンドラインブランドとしてVNKを立ち上げ、手頃な価格帯を狙い、大手ライブ配信者と協力して急速に人気を博した。2019年には手頃な価格の口紅ランキングで1位を獲得し、2020年の「双11(ダブル11、中国最大のEコマース商戦)」では売上が1000万元(約2億2233万円)を超えた。 2020年、VNKは化粧品とパーソナルケア製品の研究開発、生産、販売をする上場企業の「拉芳家化(Laf)」に買収された。しかし、2022年の半年報告では売上高が前年同期比46.57パーセント減の2233.5万元(約4億9635万円)となり、その後の業績報告にはVNKの名前は見当たらなかった。 拉芳家化自身も順調ではなく、売上高は2020年の9.84億元(約218億7717万円)から2023年には8.6億元(約191億2029万円)に減少し、純利益もほぼ半減した。拉芳家化は今後、スキンケアや高機能製品に注力する計画を述べている。 VNKの閉店は例外ではない。2023年1月には薏珂思(It's Focus)が閉店を発表し、その後も多くの国産化粧品ブランドが閉店や在庫整理の通知を出している。 これらのブランドは一時的な人気で成長したが、人気が落ちると共に資金も減少し、競争力のないブランドが淘汰されている。多くの新興本土化粧品ブランドはOEM(受託製造)やODM(相手先ブランドによる設計・製造)のビジネスモデルを採用しており、市場に出回る製品の同質化が深刻で、消費者のブランドへの愛着が低い。差別化された競争優位性が過剰な競争相手によって希薄化され、広告費用が急増し、資金を調達できないブランドは生き残りが難しい。 業界の再編は2~3年の周期で進み、変革はさらに加速するだろう。製品調整が進んだ企業は成長し、調整が進まない企業は淘汰されるだろう。この再編は下半期にも続く可能性が高い。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。