農林水産大臣賞典はいつはじまって何が贈られているの? 「発足記念日」に合わせて調べてみた
7月5日は1978年のこの日に農林省が農林水産省へと改称されたことから「農林水産省発足記念日」となっている。同省といえば、監督官庁として競馬とのつながりがとても深い行政機関。実際にレースを見ていても出馬表などで「農林水産大臣賞典」という言葉を目にすることも多い。果たしていつからはじまり、どんなものが贈呈されているのだろうか。 【動画】2500人が選ぶ2023年“神騎乗”TOP5 農林水産大臣賞典とは、農林水産大臣から賞が贈られるレースのことを指す。農林水産省畜産局競馬監督課によるとその歴史は少なくとも90年近くにおよび、農林省時代の1935年に中山競馬場で行われた第3回農林省賞典障碍(現在の中山大障害)が確認できた限り最も古いレースとのこと。ただ国営競馬時代も含めてその起源を探ることが難しく、正確な開始時期は不明という。 正賞と副賞がある農林水産大臣賞典だが、正賞として賞状、副賞としてメダルやカップを授与。またプレゼンターは大臣もしくは代理として同省幹部がつとめ、栄誉をたたえる。直近では6月2日に行われた安田記念で勝利したロマンチックウォリアー陣営が、同省の舞立昇治農林水産大臣政務官より賞状およびカップの授与を受けた。 農林水産大臣賞典は中央と地方それぞれに存在している。レース数は中央が14で、地方が47の合計61レース。中央では全10場にあり、中山と東京、そして京都と阪神はそれぞれ2レースに冠がついている。特に中山は特徴的で、中山グランドジャンプと中山大障害の障害GI・2レースで賞典が贈られる。 選定において基準のようなものはあるのか。中央を例にみると、現在の競馬場の前身となる場名や功績者を後世に伝える記念競走(目黒記念、安田記念、鳴尾記念)、障害競走の最高峰の競走(中山グランドジャンプ、中山大障害)、2歳牝馬の最高峰の競走(阪神ジュベナイルフィリーズ)といった位置付けがなされている。また地方の47レースは、ばんえい競馬も含めて北は北海道から南は九州・佐賀まで全ての地方競馬にある。 古くから存在し、全国各地で行われている農林水産大臣賞典。表彰式での一コマは長年続く歴史あるシーンだった。 ▽競馬と農林水産省 農林水産省は監督官庁として、競馬場内の秩序の維持や競馬の公正確保、関係者や競走馬および観客に対する安全対策から、レースにおける騎手検量、検体採取、決勝審判・裁決業務・スタンドの管理等が適切に行われているか、さらには主催者の適切な事業の執行や会計管理まで監督している。 ▽24年の中央競馬で農林水産大臣賞がつくレース ・札幌2歳ステークス(札幌) ・函館記念(函館) ・福島記念(福島) ・新潟記念(新潟) ・中山グランドジャンプ(中山) ・中山大障害(中山) ・目黒記念(東京) ・安田記念(東京) ・愛知杯(中京) ・京都記念(京都) ・京都大賞典(京都) ・阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神) ・鳴尾記念(阪神) ・小倉記念(小倉)