【動画】絶滅危惧種コアジサシ、今年も諸富町に ひな10羽すくすく 児童が観察
絶滅危惧種の渡り鳥コアジサシが、今年も佐賀市諸富町の諸富浄水場跡地でひなを育てている。5月上旬にカラスに全ての卵を食べられたが、その後15組のつがいが飛来。卵からかえった10羽ほどのひながすくすくと育っている。19日には、諸富北小の3年生約30人がコアジサシの親子を観察した。 浄水場跡地では4年前からコアジサシの飛来が確認されており、昨年は全国で最も多い116羽のひなが巣立った。今年は約1週間前からふ化を始め、ひなは親鳥が運んでくる魚を食べて元気に育っている。順調に成長すれば、7月から8月にかけて親鳥と一緒に南半球に向かって飛び立つ。 食害を防ぐため、日本野鳥の会県支部が柵やカラスよけ、ネコやカラスから身を守るためのレンガなどを設置している。メンバーが交代で監視も行い、ひなの成長を見守っている。この日は支部長の宮原明幸さん(70)が、コアジサシの特徴や開発などで繁殖地が減っている現状を児童に解説した。 その後、子どもたちは浄水場跡地まで歩き、双眼鏡や望遠レンズで親鳥やひなを観察した。3年の西村瑠華さんは「かわいかった。学校の近くに貴重な鳥がいることがうれしい。コアジサシの保護に協力したい」と話した。 宮原さんは「子どもが自然に触れる機会が減っており、環境のことを考える良い機会になったと思う。自然を大切にする気持ちを育んでほしい」と語った。(丸山美陽)
丸山美陽