79回目の「原爆の日」、広島平和記念公園から市民を締め出し?
入り口での手荷物検査も
そして今年の「8・6」である。広島市は22年から、式典にロシアとベラルーシを招待していない。その一方で、ガザを軍事侵攻して住民虐殺を繰り返すイスラエルには招待状を送り、同国代表が式典に参列する予定だ。 市は式典(午前8時0分~50分)前後の4時間、それまで公園内にいた人たちに外に出るよう求めたうえで、新たに公園内に入ろうとする人には「プラカード・ビラ・のぼり・横断幕等の持ち込み禁止」「ゼッケン・たすき・はちまき等の着用禁止」などを含む規制を行ない、6カ所の公園入り口で手荷物検査をする。これらの規制措置に従わない場合は公園に入らせず「退去を命令することがある」と発表した。 背後には昨年8月6日朝に原爆ドーム周辺で起きた「衝突事件」を理由にした、警察当局との連携があるとみられる。これによって原爆投下時刻の8時15分、被爆地のシンボル・原爆ドームを含む平和記念公園から市民たちによる「NO WAR」「NO NUKES」の叫びを封じようとしているのだ。 私が所属する日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部はこの問題についての集会を7月21日に市内で開催。当日は110人余りが参加し「規制は市民の表現の機会を奪うもの。言論・表現の自由がない社会の行き着く先がアジア太平洋戦争であり、原爆投下であったことを思い起こそう」とのアピールを採択した。規制の撤回を広島市に求めている。
難波健治・ジャーナリスト