「奈川獅子」奉納へ稽古 寄合渡集落の住民ら 長野県松本市
長野県松本市奈川地区の寄合渡集落に伝わる獅子舞で、市重要無形民俗文化財に指定されている「奈川獅子」が9月7日、地元の天宮大明神で奉納される。地区内外から担い手たちが集まり、本番に向けて熱心に練習を進めている。奈川で地域活動に取り組む信州大学の学生も練習に参加している。 8日夜は寄合渡体育館に子供から大人まで約40人が集まり、基本的な動作を確認した。獅子舞の動きは激しく、参加者はすぐに汗びっしょりになり、息を弾ませる人もいた。奈川中学校3年生の奥原諒祐君は「大変だけど楽しい。獅子頭をしっかり高く掲げて舞いたい」と力を込めた。 奈川で農業などに取り組む信大生の有志団体「奈川えんがわプロジェクト」のメンバーたちも参加し、動きを学んだ。経法学部4年生の中村歩夢さんは「これだけの人数が集まるところに獅子舞の力を感じる。本番でもできれば踊りたい」と話した。 奈川獅子は、村々に現れて人々を苦しめた大獅子を、天狗の助けを得て仕留めたという伝説に由来する。大正初期に始まったとされ、平成19(2007)年に市重要無形民俗文化財に指定された。 獅子舞の保存継承を進める寄合渡壮年会の副会長・丸山仁也さん(51)は「子供たちにも経験があり、(獅子舞の動きは)仕上がってきている。基本動作を一つ一つ抑え、本番に備えたい」と話していた。 奉納は午後7時半からとなっている。
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