中古の日産マーチが蘇った!!! 令和のパイクカー、登場か!? マーチ パティシエ コンセプトに迫る!!!
2024年1月12日から開催される「東京オートサロン2024」(千葉県・幕張メッセ)に展示される日産のコンセプトモデルに注目! 中古の「マーチ」を活かしたコンセプトモデルがおもしろい! 【写真を見る】マーチ パティシエ コンセプトの詳細(16枚)
本物のストーリーを持ったコンセプトカー
日産は、2024年1月12日から14日にかけての東京オートサロン2024に出展する「マーチ パティシエ コンセプト」を公開した。中古車も楽しめるという提案である。 「クルマを買うのはハードルが高い、と感じている20代と30代のユーザーに対して、中古車でも楽しいという提案です」とは、日産自動車の開発担当者の言葉だ。 走行距離8万7000kmの2016年型K13型マーチを使ったのが今回で、「東京オートサロン2023」における、キューブの中古車を使った「キューブ リフレッシュド&レトロ コンセプト」に次ぐ第2弾。 キューブ リフレッシュド&レトロ コンセプトは、2020年型の中古のキューブをベースに、色の塗り分けやデカールなどでもってちょっと重厚な雰囲気のレトロ風テイストを施したモデルだった。 上記のキューブ リフレッシュド&レトロ コンセプトが“喫茶店と路面電車”がデザインテーマだったのに対して、今回のマーチ パティシエ コンセプトは、“夢を追う若者のライフスタイルに寄り添うクルマ”なるもの。 「20代で、小さい頃からパティシエ(パティシエール)を目指していて、最近自分のお店を開業し、日常的に仕事でクルマを使っている……それが私たちが設定した“ペルソナ”でした」(日産自動車の企画担当者) 何人かの候補の中から選ばれたのが、徳島県阿南市において「UZUKI sweet shops」を2022年に開業したパティシエールの高橋初音(うずき)。日産の企画担当者が、本人と話し合って仕様を決めたという。 「当初は性別も店舗の場所も限定していなかったので、東京でも候補者はいましたが、日常的にクルマを使うという条件に合致したのは高橋さんでした。高橋さんのこだわりをクルマに反映することで、本物のストーリーを持ったコンセプトカーに仕立てられました」 マーチ パティシエ コンセプトは、専用パーツを多く採用している。グリル、グリルフィニッシャー、フォグランプフィニッシャー、ルーフラックとベースキャリア、ホイールカバー、ウッド調ドアフィルム、ボディサイドフィルム、それに「マルシェでお菓子を販売する」という高橋のための脱着式黒板という具合。 内装も専用部品が多い。シートカバー、ドアハンドル、ラゲッジルームのウッドフロア、ラゲッジポケットといった具合だ。「シュークリームが100個入れられるようにしてほしい」という要望に合わせての大型冷蔵庫と、「ポータブルバッテリー from LEAF」も装備する。 店舗でも使っているという独特の色合いのピスタチオ(緑)とゴールドは、高橋のこだわりだったといい、話しながら色を調整していったそう。 ヘッドランプ、前後バンパー、ワイパーアーム、ガラス、ステアリングホイール、スイッチ類、オーディオなど、素材の色目が変化していたり、使用感が過度だったりするものは交換(リフレッシュ)したという。 あいにく、このモデルはワンオフ(今回だけのコンセプト)だけれど、じつは2023年のキューブ リフレッシュド&レトロ コンセプトも販売の計画はなかったが、販売店である奈良日産が独自企画として販売したという。キューブは2020年で生産終了しているため、程度のいい中古車を集めて、日産によるコンセプトモデルに準じたカスタムを、法規で許される範囲で施していくそうだ。販売は20台。実車を早く見てみたいものだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)