[山口県]「落ちかけた車の中に腕見えた」ため池から高齢男性救助 下関市の白井さんに感謝状
ため池に落ちかけた軽トラックから高齢男性を助け出したとして、下関署は19日、下関市豊浦町の会社員、白井克弥さん(49)に感謝状を贈った。 白井さんは5月23日、同市井田のため池でフェンスを突き破って横転し、転落しかけている軽トラックを発見。中から腕が見えたため、助手席のドアを開けて車内にいた80歳代男性を抱えて助け出した。既に運転席側は池に漬かっており、その後水没した。男性にけがはなく、意識もあったという。 造園会社に勤める白井さんは、現場近くの中央霊園でツツジの剪定(せんてい)作業中に出たごみを奥山工場に運ぶ途中だった。日頃は通らない道でたまたま事故を発見し、車内に人がいることに気付いて急いで駆け寄ったという。「まさか人が乗っているとは思わなかった。放置したら沈むと思った。怖いとか考える状況ではなかった。当たり前のことをしただけ。ため池はフェンスがあるぐらいだから深いと思う。あと5分か10分遅かったらどうなっていたか」と振り返った。 同署で感謝状贈呈式があり、石田篤史署長は「水没したらドアも簡単に開かないし、放置していたら死亡事故になっていただろう。普通の人はパニックになるかもしれない場面で重大事故になるのを防いでくれた。ありがとうございました」と礼を述べた。