「最後の別れもできていない」涙ながらに遺族が証言 “遺体なき”強盗致死事件 広島・海田町
広島県海田町の強盗致死事件の女の裁判で、遺族が涙ながらに「毎日が悲しくて、もしかしたら今もどこかに(夫が)いるんじゃないかと思う。最後の別れもできていない」と証言しました。 被告の女(44)は2022年、海田町で被告の男と共謀し、竹内義博さん(当時71)を脅迫するなどして現金を奪い取ったうえ死亡させ、遺体を遺棄した罪に問われています。 27日の裁判では竹内さんの妻が「(犯人に対して)殺さなくてもよかった…残酷です。反省してもらう期間がしっかりあってほしいと思う」と涙ながらに証言しました。 また、検察側の証人として法医学者が、音声データや関係者の証言などをもとに「被告人らの暴行による外傷性ショックを死因と考えるのが最も合理的」と証言。 さらに、鑑識を担当した科学捜査研究所の研究室室長は、現場に残っていた靴下に付着した血痕を調べたところ、亡くなった後の血である可能性が高いという結果が出たと証言しています。 検察側はこれらの証言から竹内さんはすでに亡くなっていることを主張しています。 一方、弁護側は、被害者の遺体が見つかっておらず、被害者は現在行方不明の状態であるため、死亡しているかはわからず、仮に亡くなっていたとしても、死因は分からないと主張しています。