「7000人足りない」熊本の深刻な人手不足 “外国人材採用” の高まりで問題は解消するのか?
熊本放送
今回は熊本県内の深刻な人手不足についてです。 熊本労働局が調査した「有効求人者数」と「求職者数」の差を見ると、職を求める人が7000人程度少ない状態が続いています。 【写真を見る】熊本県初の外国人教習指導員・温さんの指導のようす 有効求人人数(有効求職者数)出典:熊本労働局 去年10月 3万5960人 (2万8232人) 今年10月 3万5645人 (2万8607人) キャスター「必要な人材が充分に採用できていないということなのでしょうね」 今、人手不足を解消しようと、熊本県内では外国人材採用の動きが加速しています。 ■満足に動かせない装置「人手不足の現実」 熊本市南区の半導体関連企業「アラオ」。人手不足のため満足に動かせない装置もあります。 アラオ 経営企画部 荒尾侑典部長「もう何十年と活躍している装置で、今も稼動はしていますが、見てのとおり、人材がいないので空いている」 多い時で50人の従業員がいましたが、今は40人に減少。顧客からの注文を受けられないこともあります。 TSMCをはじめ半導体関連企業が集まるなか、今後増えることが想定される注文に対応できるのか、不安があると言います。 そこで…。 荒尾部長「今後(会社を)担って行く人材を獲得するための1つの選択肢として、外国人の採用にチャレンジしていこうと」 この企業はベトナムで面接をし、工業系の大学を卒業した男性を採用することにしました。ただ、この採用がうまくいくのか不安もあります。 荒尾部長「言語的な壁や文化の側面でマッチするのか。受け入れの体制が大丈夫なのか含めて、多くの不安を抱えている状況」 ■外国人の意見を聞くシンポジウムでは… 実際、熊本で働く外国人の意見を聞くシンポジウムでは言葉の壁の問題が指摘されました。 ベトナムから「(日本語を)勉強しても現地で日本人と会話する時は違う。熊本弁を使うじゃないですか。余計分からない」 九州経済白書では、2030年に熊本県内の人手不足は6万5000人にのぼると試算されていて、熊本県内、国内だけでは人材がまかなえなくなるとみられています。