NHK会長明言 STARTO社起用再開「総合的な判断」2年ぶり紅白決定的 昨年は44年ぶりゼロ
NHKの定例会長会見が16日、都内のNHK放送センターで行われ、稲葉延雄会長(73)は旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)からマネジメントを引き継いだSTARTO ENTERTAINMENT所属タレントの新規起用を再開することを明言した。年末の紅白歌合戦の出場も含め、同日から番組の出演依頼を可能とした。 NHKはジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、スタート社所属タレントの新規起用を停止していたが、稲葉会長は会見の冒頭に「16日をもって、番組制作現場の判断で、STARTO ENTERTAINMENTのタレントの起用を可能とする」と語った。被害者への補償と再発防止の取り組み、2社の経営分離も進んでいることなどから「総合的な判断」を下したという。 この方針によって、スタート社所属のタレントに紅白出場の道が開けた。会長の後に会見した山名メディア総局長は出場者の選定について「今年の活躍、世論の支持、番組の企画演出にふさわしい人」と従来通りの基準を示しながら「(候補に)上がってくれば、現場で検討するということになる」と話した。 22年は同事務所から6組が紅白に出場したが、性加害問題を受けて昨年は44年ぶりの出場者ゼロ。2年ぶりとなる今年は、Snow ManやSixTONESら人気グループに加え、デビュー10周年のWEST.、同20周年のSUPER EIGHT、5月にデビューしたAぇ!groupと節目を迎えたグループの出場に期待がかかる。また、出場が有力視されるNumber_iとKing&Princeの“共演”が実現するかなどにも注目が高まる。 新規での出演依頼は再開となったが、稲葉会長は「これですべてが終わったということではない」と慎重な姿勢を見せる。ただ、年末の風物詩の行方に話題が集まることは間違いなさそうだ。 ◆NHKによる旧ジャニーズ勢起用に関する動き 故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、稲葉会長が昨年9月27日の会見でジャニーズ事務所の所属タレントについての新規出演を当面の間、見送ることを発表。同年末の紅白歌合戦でも、この方針を貫いて1979年以来、44年ぶりの同事務所からの出場者ゼロとなった。 その後もNHKは社名を変更したスマイル社による被害者への補償、再発防止とマネジメント業務を引き継いだSTARTO社との経営分離の状態などを注視。4月の番組改編でも所属タレントがMCなどで出演する8番組を終了し、その後も新規出演がない状態が続いていた。 稲葉会長は、9月の定例会見で「被害者への補償、再発防止の取り組みはかなり進んできている」と評価していた一方で「現時点では従来の方針に変更はありません」と語っていた。