横浜DeNA筒香の何がどうすごい?!
衝撃的だった。史上初となる3試合連続のマルチ本塁打。メジャーでも過去に4人しか記録していない。22日の巨人戦では、全打点を一人でたたき出して延長12回に弾丸ライナーでサヨナラ本塁打。まさに横浜DeNAの4番、筒香嘉智(24)のワンマンショーだった。7月だけで12本の大量生産で、本塁打王争いで先をいくヤクルトの山田哲人の29号に後1本と迫った。もう侍ジャパンの4番に筒香を指名することに誰も異論を挟まないだろう。 辛口の御意見番、張本勲氏でさえ、この日、TBS系の情報番組「サンデーモーニング」内で、「ピッチャーは何してるの。我々の時代は打たしてくれなかったよ。危ないボールを何回も投げられますよ」と、打たれた投手に、苦言を呈しながらも、「今の状態なら、3冠王を取るかもわからないね。バックスイングが浅いから5、6月は悪かったけど、今はちょっと(バックスイングを)引いているから球が飛ぶ」と絶賛、“あっぱれ”を贈っていた。 では、筒香の何がどうすごいのか。 今季の筒香の大きな変化のひとつが、タイミングを取る際の右足のステップにある。昨年までは右足を上げていたが、昨年オフに単身参加したドミニカでのウインターリーグで、足を上げていると、スピードと小さなボールの変化に対応できないため、右足をすり足に使うノーステップ打法を身につけて帰ってきた。 徐々にノーステップ打法は、進化して、現在は、ほんの少しだけ右足を上げるが、去年までのようなブレがない。足を上げないとパワー不足になるのではないか、と危惧されていたが、筒香は「それは関係ない。ノーステップでも体の使い方でパワーは生み出せる」と、主張していて、実際、その理論を実証した。 元千葉ロッテで評論家の里崎智也氏も、ボールを捉えるポイントの安定が特徴だと見ている。 「しっかりと自分のポイントまでボールを引きつけて打ってますよね。ストレートに関しては、インコースもアウトコースもボールを捉えるポイントが前後していないような感じがします。なので、変化球が来ても崩されることも少なく、崩されてとしても、まだ打てるポイントに体が残っていますね。こうなるとバッテリーは厄介ですよ」 筒香自身は「球種に関係なく、強い打球を打つことだけを意識している」と言うが、安定した新フォームと、本来、持つバットスイングの速さにより、よりボールをひきつけ、しかもブレないのだから、打ち損じが減る。本塁打が量産される理由もよくわかる。