横浜DeNA筒香の何がどうすごい?!
22日の巨人戦で、左腕・山口からサヨナラ本塁打を打った場面では、大きなカーブをフルスイングして空振りした後のインサイドのシュート回転のストレートだった。変化球を狙っていたようなスイングを見せられたバッテリーが、インサイドのストレートを選択した理由は、わからぬでもなかったが、里崎氏が指摘するように変化球を使っても崩れないのだから、ストレートのコントロールミスは見逃してもらえない。 ラミレス監督は、もし相手チームの監督だったら?の攻略法を聞かれ、「四球で歩かせるしかないだろう」と語っていたが、今の筒香は、手のつけられないゾーンのような状態にある。 だが、コース別のチャート図を見てみると、対左投手には、外角の高め、外角低めが打てていないし、対右投手は、内角高めと内角低めがウイークポイントで、投げる場所がないわけではない。それでも、菅野が外角のボールを逆方向のスタンドにまで運ばれた本塁打などを目の当たりにすると、なかなかウイークポイントにボールを集めることができないのだろう。「ひとつ間違えば」の恐怖心がコントロールミスを呼ぶのだ。そのプラス連鎖こそが一流のアーチストの証明ではある。 里崎氏は“無冠の帝王”をついに返上しそうな背景に筒香のプロとしての姿勢があると見ている。 「昨年オフに単身でドミニカに行って武者修行をした。その姿勢からして向上心が強い。おそらく常に満足することなく努力、研究を続けているんだと思うんです。その姿勢も筒香の結果を生んでいるのでしょう」 初のクライマックスシリーズ進出を十分に圏内に捉えている好調なチーム成績が筒香のモチベーションを支えていることも間違いない。筒香の「チームの勝利への貢献。それしか考えていません」は口癖だ。 ここ2年、ブレイクをしかけて、ペースダウンした理由の第一が、故障などによるコンディションの不良だった。ここから先、四球攻めにどう対処するかのメンタル問題も出てくるだろうが、もっとも要注意するのは、怪我。つまり相手の研究、対策以上に、自分との戦いになってくる。