三笘、南野、中村にない絶対的な武器。W杯経験者として自覚を強める前田大然は目をギラつかせる「短時間でも見せないといけない」【アジア杯】
守備のギアを上げ、攻撃に推進力を
前田の爆発的な速さは、14日のベトナム戦で先発した中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)、イラク戦では左でスタートから出た南野にはない部分。目下、左足首負傷で回復に努めている三笘薫(ブライトン)も前田ほどの直線的スピードは持ち合わせていない。 そんな武器をいかにして日本代表で有効活用するのか。それがインドネシア戦から先の重要なテーマの1つになりそうだ。 「代表ではフォワードと左の両方をやれるようにしておけば、怖い選手になれると思います。まだ出場時間が少ない分、どうしても自分の仕掛けを出せる回数が少なくなってくるんで、短時間でも(武器を)見せないといけない。次の試合に勝たないといけないんで、ゴールやアシストに絡んでいくことを考えてチームに貢献したいです」と、前田は目をギラつかせた。 今の日本は厳しいスタートを余儀なくされているが、グループ2戦目で黒星という展開は、カタールW杯と全く同じ。1年2か月前の大舞台では、スペイン戦直前に川島永嗣(磐田)の「涙のミーティング」があり、前田ら東京五輪世代の若い世代が奮起した。 「自分は永嗣さんの隣にいて、泣いているのがすぐ分かりました」と語っていた彼にしてみれば、当時のような緊迫感ある空気を作らなければいけないという気持ちは強いはず。川島や長友佑都(FC東京)、吉田麻也(LAギャラクシー)らベテランがチームを離れた今こそ、前田ら20代半ばの中堅世代が奮起しなければならないのだ。 「ワールドカップの時も2戦目で負けて、次の試合に向けてみんなが切り替えていた。そういうマインドが日本の強さなのかなと思うので、次、しっかりやるだけですね」 カタール経験者としての自覚を強める前田が、次戦で左サイドのスタメンに名を連ねる可能性もゼロではない。むしろ彼のような強度とスピードのある選手が入ったほうが守備のギアも上がるし、攻撃の推進力や迫力も増すのではないか。 そういう人材を使って停滞感を打破するのも一案。森保監督にはインドネシア戦で最高のマネジメントを見せてほしいものである。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
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