「川崎の最南端は世界の最先端」 イノベーション拠点をネットワーク化 川崎市・福田市長
川崎市の福田紀彦市長が産経新聞のインタビューに応じた。昨年同様、産業や拠点整備の転換期と位置づけ、「イノベーション拠点のネットワーク化」の重要性を訴えた。また、学校教育では「かわさきGIGAスクール構想」の手応えを口にし、「さらに精度を上げていく」と話した。(聞き手 橋本謙太郎) 【写真】川崎と羽田結ぶ多摩川スカイブリッジ ■炭素から水素に転換 -今年は川崎市にとってどういう位置づけの年になるのか 「昨年は市制100周年ということで、市民に改めて川崎を知って関わって好きになってもらう1年として、いい取り組みができた。産業転換、拠点整備でも転換点になるような年だったが、今年も大きく進む年になると思う」 -産業転換の象徴ともいうべきJFEスチール東日本製鉄所京浜地区の跡地利用の進(しん)捗(ちょく)状況は 「これだけの土地利用転換(約400ヘクタール)が進むことは首都圏ではもうないと思う。JFEさんの土地ではあるが、炭素で生きてきた町から脱炭素へと劇的な変化をするため、非常に大切なエリア。令和10年に一部、まずは水素の受け入れ供給拠点という形でスタートしていく。そのためには交通などの基盤整備が必要になってくるが、あと3年、(国などとの)いろいろな事業調整が必要になってくるので、しっかりやっていきたい」 --工業都市・川崎は変貌してきているという実感は 「川崎の最南端(臨海部)は世界の最先端になるというふうに思っているし、そういうエリアにしなければならない」 --9年度には南渡田地区の一部が研究開発拠点としてまちびらきするなど、拠点整備が進むが、課題はあるのか 「新川崎で進めている量子イノベーションパークなどの各イノベーション拠点をしっかりネットワーク化していくこと。量子による素材開発などは分野を超えていくことになるので、ネットワーキングはすごく大事。それにより、世界に冠たる産業エリアになる」 ■羽田の近さ生かす --35歳前後の子育て世代の流出対策は