ヒラメ 黄金の香り 餌は特産かんきつ「フルーツ魚」 神奈川県立海洋科学高が開発
養殖の規格外が注目株に
【神奈川・全農】県立海洋科学高校の生徒は、果実を餌にした「フルーツ魚」が広がっていることに着目し、県の特産かんきつ「湘南ゴールド」を餌に使った魚「湘南ゴールドヒラメ」を開発した。JA全農かながわが加工用の「湘南ゴールド」約10キロを無償提供し、開発に協力。今後、加工品の商品化を検討している。
湘南ゴールドで変身
ヒラメの放流用種苗を生産する同校は、形態異常で放流できない個体の活用法として、「フルーツ魚」を有望視。地元特産を生かして付加価値を高めようと、「湘南ゴールド」を使うことにした。県を通じて打診を受けた全農かながわが快諾し、原料を供給した。 「湘南ゴールド」を皮と果汁に分け、サバのミンチ、パン粉と混ぜ合わせた餌を用意。餌を与えたヒラメは、全長約30センチにまで成長した。 11月中旬の関係者向けお披露目会では、刺し身やレトルトパウチの切り身、身の入った茶わん蒸し、ムニエルを用意。参加者から「特に刺し身のえんがわ部分に、湘南ゴールドの爽やかな香りを感じた」と好評だった。 飼育に関わった1年の飯田紗蘭さん(15)は「湘南ゴールドの香りを感じられる調理方法を今後さらに検討したい」と話す。
日本農業新聞