好きになった人が殺人犯だったら…死刑をテーマにしたミステリ小説を書いた理由 社会派作家・天祢涼が語る
――では最後に、読者の方にメッセージがあればお願いします。 天袮 自分の中でもまだ答えが出ない問題を書いたので、読者がどう思うか、書き上げた充実感より今は不安の方が大きいです。けれどもすごく大きな問いだと思いますし、簡単には答えが出せないことだと思うので、自分の疑問に他人を巻き込んでしまったわけじゃないですけど、そうですね、「考えてください」っていうのもおかしいし……とにかく小説として、ミステリとして楽しんでいただければと思っております。 【著者紹介】 天祢涼(あまね・りょう) 1978年生まれ。『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年デビュー。社会に追い詰められた子供たちを描く『希望が死んだ夜に』はロングセラーとなり文庫で増刷を重ね「仲田」シリーズとして『あの子の殺人計画』『陽だまりにいたる病』『少女が最後に見た蛍』と続いている。他著に『謎解き広報課』『彼女はひとり闇の中』などの他、「境内ではお静かに」シリーズなど多数。 [文]千街晶之(文芸評論家・ミステリ評論家) せんがい・あきゆき 写真:三原久明 協力:角川春樹事務所 角川春樹事務所 ランティエ Book Bang編集部 新潮社
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