SNSトラブル→殺人…後絶たず 「その先に人がいることを想像して」
北海道旭川市で女子高校生を橋から転落させて殺害したとして2人が逮捕された事件はインターネット上のトラブルが発端とされている。同様の事件は後を絶たず、専門家は「SNS(ネット交流サービス)の先に生身の人間がいることを想像して」と呼びかけている。 【写真】Xで津波や救助要請のデマ拡散 背景に広告収益 ◇同様の事件の数々 広島県呉市では2013年6月、LINE(ライン)上のやり取りで女子生徒(当時16歳)と口論になった少女が、仲間と共謀して金品を奪い、集団暴行の末に女子生徒を殺害する事件が起きた。 こうした事例は若者だけにとどまらない。 18年6月には、ネット上のやり取りだけで怒りを募らせた男性に人気ブロガーが刺殺される事件が福岡市で発生した。19年4月にはSNS上の書き込みを巡ってトラブルになっていた堺市の50代女性の頭や顔を、特殊警棒で殴って重傷を負わせたとして、50代男性らが殺人未遂容疑で逮捕された。 20年5月にプロレスラーの木村花さん(当時22歳)がテレビ出演を巡るSNS上の暴言に苦しみ自殺するなど、SNS上の誹謗(ひぼう)中傷が利用者を追い詰める事態も相次いでいる。 ◇「他人の写真、勝手に載せないで」 ネット上のトラブルに詳しい藤吉修崇(のぶたか)弁護士は「SNSへの書き込みや投稿はハードルが低く、一線を越えやすい」と指摘。「他人の個人情報や容貌が分かる写真は同意なく載せないことが重要だ。未成年のトラブル防止のためには、家庭内で繰り返し注意点を教えるしかない」と話した。【片野裕之】