中三(青森県弘前市)負債総額10億円 一般債権7.7億円「弁済困難」
8月末に経営破綻した老舗百貨店・中三(青森県弘前市)の債権者集会が3日、弘前文化センターで開かれた。破産管財人の山内賢二弁護士(同市)は取材に対し、負債総額は約10億円で、うち一般債権(168件)計約7億7千万円に対する弁済は困難との見方を示した。 山内弁護士によると、主な資産である弘前店の建物と敷地などの買い手は今のところ見つかっていないといい、「債権者の関心事であることは承知している」とした上で、建物を売却したとしても一般債権の弁済は難しい、と述べた。ほかに売却できる資産がないか調べているという。 山内弁護士や出席者によると、集会には30人程度が出席し、建物の活用方法やテナントの撤去作業についての質問があったほか、突然の閉店に対する不満の声などが上がったという。弁済方針に対する異論はなかった。 中三に商品を納めていた債権企業の男性は「一般債権への弁済は難しいだろうと思っていた。残念だが仕方ない」とあきらめ顔だった。別の男性は「破産に至る経緯の説明があまりされなかった」と語った。 次回の集会は来年3月4日で、不動産の売却状況などを説明する見込み。 中三は1896(明治29)年6月、五所川原市で創業。北東北で最大5店舗を展開した。2011年3月に民事再生法の適用を申請。経営再建に取り組んでいたが、今年8月末に2度目の破綻となった。