渡辺淳之介「実質的な経営業務に興味がなくなった」 BiSH解散、ロンドン渡航と海外展開――WACKの現在地を語る
“逆境”に立ち向かう原点への立ち返り「ロンドンで間違いなく起業します」
――WACKの10年を振り返ってみて、ターニングポイントはどこでしたか? 渡辺:やっぱりBiSHのメジャーデビューですかね。WACKのアイドルにとってメジャーデビューはほぼ初めてだったし、メジャーのレコード会社と一緒に作っていくことが大事だって、すごく勉強させてもらったんです。BiSHは360度契約で、収益もエイベックスに行っていた。だからこその信頼関係でうまくやっていけたんです。だから今もエイベックス所属のグループが多いんですよね。あとは『水曜日のダウンタウン』(TBS系)ですね。5年前の「MONSTER IDOL」は、テレビ番組のパワーを感じたし、社会現象だったし、それを一緒に作れる喜びがあったんです。日本テレビでオーディション番組(『BiSH THE NEXT』)をやらせてもらった時も、そこでの経験がすごく活きたんです。 ――渡辺さんはここから先、WACKをどう展開していくんでしょうか? 渡辺:今充電期間なんすよ、僕。ロンドンでビジネスは展開したいなと思ってますが……。 ――ロンドンでビジネスをするのは決めているわけですね。 渡辺:ロンドンで間違いなく起業します。まだまだ行動力は衰えてないと思うし、あと5年ぐらいはいけるんじゃないかと。挑戦できること、今のうちにできることは、やっぱりやりたいなと。 ――そういう話を聞いていると、自分をゼロの状態に戻そうとしてますよね。BiSを始めた2010年、2011年に。 渡辺:うん。楽しかったなあ、BiS。今「一緒に何かやりましょうよ!」と言われても、ちょっと難しいじゃないですか。だから、逆に言ったらもう一回イギリスでそういう状態を作りたいんですよね。 ――まずイギリスで何をしたいですか? 渡辺:イギリスのアーティストと契約して日本にくる時はWACKと一緒にやろうっていうこともあるかもしれないし、かわいい女の子の友達がいっぱいできたら、UK地下アイドルを作るかもしれないし。全然わからないけど、面白いことをしたいですね。飲食店もありかなと。緑茶やたいやきを出して、日本のアニメのグッズも買えるとか。どう頑張ってもイギリス人にはなれないし、逆に日本人だっていうアイデンティティをイギリスで生活してすごく感じました。日本人がいかにちっぽけか、って。 ――そのちっぽけさを逆境にして挑戦しようとしているわけですね。 渡辺:頑張りたいな。だってね、最初BiS始めた時だって、社内でも「売れるわけない」って言われてたし。前向きですよ、うん。 ――私と渡辺さんが2011年に出会って13年経っても、渡辺さんはまだまだハングリーで安心しました。 渡辺:いつかなくなるんですかね、このハングリーさって。自分で“スーパーマン”とか言ってるけど、もともとは持たざる者が這い上がっていくストーリーだったわけじゃないですか。そのはずが、いつのまにか何者かになっちゃった感があって。それが僕のなかで気持ち悪いんでしょうね。だから、違うことをやりたい気持ちになってるのかもしれないです。 ※1:https://realsound.jp/2022/10/post-1143598.html
宗像明将