マイルCS ソウルラッシュ、ついに初のビッグタイトル 鞍上・団野、入線前にガッツポーズの完勝劇 「種牡馬入りさせたい馬」と池江師
◇17日 「第41回マイルCS」(G1・京都・芝1600メートル) 人と馬との魂の重なりが、ものの見事にシンクロした。昨年の首差2着のリベンジを果たしG1に7度目の挑戦でソウルラッシュが、ついに初のビッグタイトルをつかんだ。鞍上は6年目の若武者・団野。ゴール入線前に大きなガッツポーズをする余裕があるほどの完勝劇だった。 「最高の気分です。思っていたポジションは取れませんでしたが、馬のリズムでしっかり運べましたし、それが最後の伸びにつながりました。いい結果を出せてすごくうれしいです」。中団の後ろで運び、4コーナーからラッシュ開始。自然な軌道を描いて直線に向くと前がきれいに開いていた。あとは馬を信じて追うだけ。残り100メートルで先頭に立つと、後続を突き放して2馬身半差でトップゴールに飛び込んだ。 団野にとっては期するものがあった。前哨戦の富士Sで2着に負け、乗り代わりを覚悟。だが本番でも引き続き騎乗依頼が飛び込んだ。これに燃えない騎手などいない。さらに2日前、ヤマニンサンパで中東に遠征し「バーレーンインターナショナルトロフィー」に挑戦。結果は6着だったが、海外で得た経験も糧になった。 約10時間の飛行機移動で日本に帰国したのはレース前日の午後5時。空港からそのまま調整ルーム入りするハードな日程だったが、むしろ大きなモチベーションとなっていた。伏兵ファストフォースで高松宮記念を勝って以来のG12勝目に「今回は人気をしていたのでプレッシャーを感じていました。その中で勝てたのはうれしいです」と白い歯を見せた。 「感無量です。種牡馬入りさせたい馬。特にマイルのG1勝ちは需要が高いし、うれしいです」と初戴冠の喜びに浸ったのは池江師だ。ずっと雨を熱望していたが、「結局、全然降らないから、運がないなと思っていたが、杞憂(きゆう)に終わりましたね」。1分32秒0と速い時計で勝ち切るのだから正真正銘、実力でG1を勝ち切った、と言い切れる。次走は招待受諾済みの「香港マイル」(GⅠ・12月8日・シャティン・芝1600メートル)へ。日本のマイル王として、さらにワンステップ上を狙う。
中日スポーツ