194キロ衝突死「交差点を右折しただけでこんな理不尽があっていいのか」厳罰求める遺族…論告求刑公判
大分市で2021年、時速194キロで乗用車を走行して右折車に衝突し、同市の会社員小柳憲さん(当時50歳)を死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた元少年(23)の裁判員裁判。15日の論告求刑公判では、小柳さんの姉の1人が意見陳述で「もう何も言えない弟の無念さや、私たち遺族の思いをくみ取った判決をお願いします」と厳罰を求めた。 【写真】事故事故で大破した小柳さんの車=遺族提供
姉は、小柳さんのことを「憲ちゃん」と呼び、「穏やかでとても優しい性格だった」と振り返った。衝突された車は15年間乗った国産車で、安全運転をして、母親を乗せるときは対向車を待って右折していたという。
誕生日には姉にプレゼントをし、日々の晩酌を楽しみにしていた小柳さんだったが、警察からの電話で母親と病院に駆けつけた時には、すでに亡くなっていた。姉は「憲ちゃんに何の落ち度もない。交差点を右折しただけでこんな理不尽があっていいのか」と話し、「被害者の未来を一瞬で奪ってしまったことを理解してほしい」と語った。
姉と母親の代理人弁護士は「遺族が自ら被告に制裁を与えることは許されない以上、処罰感情が重視されないといけない」と主張した。