「松阪の人は先を見られた」 三重「まつさかの円居」で語り合う 文化人3人
落語家・桂文我さんと射和文庫文庫長・竹川さん、本居記念館名誉館長・吉田さん
上方落語家・桂文我さん(63)=三重県松阪市大河内町、本名・大東幸浩=と、本居宣長記念館名誉館長・吉田悦之さん(66)=同市笹川町、射和文庫文庫長・竹川裕久さん(70)=同市射和町=による第2回「令和版まつさかの円居(まとい)」が25日午後1時から、同市川井町の松阪コミュニティ文化センターであり、約100人の聴衆が松阪の隠れた歴史を学んだ。 講演会は「松阪の人が知らない、松阪の話」をコンセプトに昨年から始まった。講演形式で吉田さん、竹川さんが松阪の逸話を披露し、文我さんによる松阪ゆかりの落語も盛り込まれる。 この日は吉田さんが「松阪の一夜異聞」として本居宣長に、竹川さんは「櫛田川のはなしあれこれ」と題して流域の歴史に言及。文我さんは三井家が登場する古典落語「三井の大黒」を口演した。 鼎談(ていだん)「円居の纏(まと)め」では3人そろって登壇。「本居宣長と書籍」を口火に松阪市内外の町の老舗古書店史から、竹川竹斎の射和文庫蔵書秘話まで縦横無尽に語り合った。政局の混迷や3月にあった大阪万博の工事現場での爆発火災などを引き合いに文我さんが「日本どえらいことになってきてますね。松阪は生き残ろうか」と話を向けると吉田さんは「松阪の人は先を見ることができた。なので宣長が出てきたり、(飯高地域出身の製茶貿易実業家)大谷嘉兵衛が出てきた」。続けて吉田さんが「松阪の場合にはいい物がたくさんありますから」と誇ると文我さんも「こういうことを少しずつ楽しんで理解していっていただければ幸せかなと」と続け、会を締めくくった。