日本人は頭のよさを固定的なものだと思っている…和田秀樹「学歴ではない本当に頭がよい人の特徴」
そして、常識や前例にとらわれず、新しいことに挑戦し続けることで、前頭葉はどんどん活発に働くようになります。だからこそ、毎日を実験するようなつもりで、「まだ知らなかった自分に出会う」ということを大切にしていただきたいと思います。 私は特に60歳以上の方に関して、この前頭葉を活性化させることは、非常に重要なポイントになると思っています。 前頭葉の若さを保つことは、頭や体のさまざまな機能の維持につながるのに加え、前頭葉の働きをよくするために効果的な思考や行動は、そのまま、老後の幸せな人生を送ることに直結するからです。
前頭葉を鍛えて、頭のよさと楽しい毎日、どちらも手に入れてみませんか? ■60歳以上の人にこそ、頭がよくなる伸びしろがある 私は、60代から人生を向上させていくことは十分に可能ですし、むしろ、60代以降の方こそ、みるみる頭がよくなっていくポテンシャルを秘めていると思っています。 まず、常識に縛られたり、誰かの指示に従ったりする必要がなくなるというのは、シニア世代の大きな強みです。 会社で働いていたりすれば、不本意ながら上からの指令に従わなくてはいけなかったり、自分の気持ちを抑圧して周囲に合わせなければならなかったりといったことも多かったことでしょう。
前頭葉の栄養になるのは、創造性やクリエイティブな発想力であるにも関わらず、そのような状況下ではそれらは活性化されず、衰えていくばかりです。「言われたことをそのままこなす」「前例にそのまま倣う」ような生き方では、前頭葉は稼働しないため、どんどん働きが鈍くなっていってしまうのです。 そういった生き方から解き放たれ、自由な感性を持つことを許されるというのは、シニア世代になることの醍醐味だと思うのです。
我慢とストレスは脳にとって害悪以外の何物でもありません。せっかく「常識や制約にとらわれない自由」を持てるようになったのですから、胸を張って我が道を歩みましょう。それが前頭葉にとっての良薬になります。 そして、現役時代に比べて自由な時間が増えるのもまた、年齢を重ねることのメリットです。 私はよく、「自分が天才になれるものを探すことが大切だ」と言っています。 たとえば親御さんが私のところに小さなお子さんを連れてきて、「この子を天才にしたいんです」と言ってきたとき、私は「では100個くらい、習い事をさせてみたらどうですか」と答えています。100個習い事をさせてみれば、一つくらいは何かしら突出した才能を見せる可能性があるからです。