住友商事・上野社長「リグ1基当たりの鋼管使用量が増加」。北米鋼管事業、大統領選次第で商機拡大
決算説明会で北米の鋼管市場について問われた住友商事の上野真吾社長は「リグカウントは増えていないが、横に掘る距離がかなり長くなり1基当たりの鋼管の使用量が格段に増えている」と構造変化を語る。独立系のシェール企業で合従連衡が進み「効率化と技術革新によって生産量が高水準にある。リグカウントだけでは指標にならなくなっており、そこはポジティブ」という。 鉄鋼グループの通期純利益見通しは740億円とし、期初から150億円引き下げた。今年度上期とみていた北米鋼管市況の回復時期が遅れるためだが、今年度下期もリグカウントは足元の水準が続く前提とする。一方、輸入材の減少で一部の米ミルが値上げを発表しており、価格は年明けにも上昇に向かうとみる。 上野社長は大統領選の結果によって「輸入関税がどうなるか、また化石燃料をさらに掘るということになるのか」と政策次第で鋼管事業をさらに伸ばす好機と指摘する。ここ数年で鋼管事業のビジネスモデルを大きく変え下振れ耐性を高めただけにしっかりアップサイドも取りに行く構えだ。