宇野昌磨の開幕戦に見えた金メダル獲得計画と可能性
平昌五輪は、新4回転時代になると予想されている。複数の4回転ジャンプを、ショートとフリーで計8回は入れなければ、金メダルは難しいとされている。 宇野は昨シーズン、フリップ、ループという2種類の4回転ジャンプに挑み、今季はサルコーと段階を経て確実にレベルアップ。2018年2月に金メダルをゲットするための長期計画を進めてきた。 前述の中庭氏は、メダル獲得の最低ラインを、「ショートで100点」、「フリーで200点」の計300点と見ている。「その意味では、宇野選手のプログラム構成も、今回の319.84得点も、十分に金メダルを狙えるものなのです」と言う。 66年ぶりとなる五輪連覇を狙う“絶対王者”の羽生も、2シーズン前に歴代世界最高得点をマークした「陰陽師」にフリーの曲を戻して、4回転を5つ入れ込むプログラムに挑戦することを発表している。 アメリカのUSインターナショナルクラシックでスタートを切ったライバルの一人で“4回転の申し子”と呼ばれているネイサン・チェン(18、米国)は、5種類目となる4回転ループを披露。フリーでは、実際には予定通りにいかなかったが、4回転を6つも入れるという脅威のプログラムを準備していたという。 進化する新4回転時代の平昌五輪に宇野が用意した金メダルを狙えるプログラム。ここから始まるGPシリーズを通じてその完成度を磨けば、その構想が現実に近づいてくる。宇野の次戦は、来月7日のジャパンオープンが予定されている。