冬の北海道・ニセコの宿泊客、過去最多に 海外客好調も交通事故多発や救急体制逼迫に懸念も
【倶知安、ニセコ】今冬のニセコ地域(後志管内倶知安、ニセコ両町)の宿泊予約が、新型コロナウイルス禍からV字回復し過去最多だった昨冬実績を上回る勢いとなっている。約8割を占める海外客が好調で、昨冬急増した米国からの客も伸びている。一方、ゲレンデの混雑や地元客離れに加え、外国人ドライバーによる事故や救急体制の逼迫(ひっぱく)など地域に与える影響も危惧される。 【動画】札幌に冬のきらめき ホワイトイルミネーション・ミュンヘンクリスマス市が開幕 「前年比で予約は15~20%増。雪が順調に降ってくれれば、今季も過去最高を更新するだろう」。ニセコ地域で10カ所以上のコンドミニアムやホテルを管理するニセコアルパインデベロップメンツ(倶知安町)は、主要スキー場がそろってオープンを予定している30日を前に、まとまった降雪を期待する。 パークハイアットニセコHANAZONO(同町)は「クリスマス前から予約で混み合っており、空室があるのは来年2月下旬以降」。ニセコアンヌプリ国際スキー場(ニセコ町)の系列ホテルも予約率は90%前後で、運営会社は「昨冬以上を期待できる」とする。昨冬に比べ10~20%増の予約が入っている宿泊施設も多い。
ニセコ地域は昨冬、コロナ禍の反動で海外客が殺到。倶知安町によると、同町とニセコ、蘭越両町を合わせた2023年度の外国人延べ宿泊人数は、ピークだった18年度を約5万人上回り、統計のある06年度以降で最多の約73万人に上った。 海外客はおおむねオーストラリア、米国、東南アジアの順で予約が多い。昨冬、北米リゾートの雪不足で米国人が多かったが、今冬も勢いが続く。ニセコビレッジスキーリゾート(ニセコ町)は「円安が継続していることも大きい」と分析する。中国人客はコロナ禍前から回復していないもようだ。