トマトの卸価格が高騰 1玉1000円も 熊本市の青果市場 猛暑が影響、品薄に
熊本県内の青果市場で19日取引されたトマトの卸価格が急騰した。熊本市西区の熊本大同青果では、4キロ入り箱の高値が前日と比べて約4倍の2万3900円に跳ね上がり、過去最高を記録した。猛暑による品不足に加えて、全国展開のハンバーガーチェーンや、今月下旬に大型セール「ブラックフライデー」を予定している大手スーパーからの需要が高まったためという。 熊本の経済ニュース
熊本大同青果の卸価格は全体的に高めだったが、トマトの伸びが著しく、競り場には人だかりができた。4キロ箱にはトマトが24個入っており、1個当たり約千円。月田潔孝社長は「これほどの高値になるとは…」と驚きを隠さなかった。 ただ、4キロ箱の安値は300円となるなど、トマトが総じて高いわけではない。月田社長は「引き合いが急激に増え、一部のブランド銘柄のトマトが高値になっているようだ。県内の店頭に並ぶトマト全部の販売価格が急騰することはない」と見通す。 19日のトマトは、西区の熊青西九州青果でも同様の取引状況だった。 国内有数の冬春トマト産地の八代地域では、猛暑の影響で着果不良も確認されている。ここ1週間ほど、JAやつしろの出荷量が減少。営農部の担当者は卸価格の高騰を「品薄になったところに、急激な需要が重なった」と受け止めた。今後については「冷え込みが続けば、供給は安定するし、取引価格も落ち着くだろう」と話している。(岩崎皓太、馬場正広)