能登半島地震 「状況の変化に応じて支援することが大事」 佐々木俊尚が指摘
ジャーナリストの佐々木俊尚が1月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。能登半島地震における支援活動について解説した。
在日米軍、能登半島地震の支援活動開始へ
木原防衛大臣は1月16日、在日米軍が能登半島地震に関する支援活動を17日から実施すると発表した。被災地に人員を派遣し、物資輸送などの支援活動を行う。 飯田)発災当初から海外などの支援要請については、現地で受け入れ体制の構築が必要となるものは見送る方針でした。 佐々木)台湾からの救助隊を「いまのところ無理です」という感じで断ったところ、それを聞いて「なぜ断るんだ」と怒っていた人がいました。しかし、当初は空港が閉鎖されていて……。 飯田)能登空港ですね。 佐々木)陸路も国道249号の1本だけでした。海岸沿いの道路も寸断され、行きようがないので大量に人員投入できないのです。だから自衛隊も多く投入できず、徐々に様子を見ながら増やしていった。
状況の変化に応じて対処することが大事
佐々木)自衛隊はまず、ホーバークラフト揚陸艇「LCAC(エルキャック)」で重機を大量に海岸から持ち込み、道路を直していったのです。そのうち能登空港の滑走路が復旧し、ようやくアメリカ軍が入れるようになった。もちろん自衛隊も空路でものを運んでいますが、自衛隊はやることがたくさんあるから、補給をアメリカ軍にも手伝ってもらい、空いた人員を他に回す。孤立集落がまだいくつもあるので、1つひとつ手作業も含め、重機で道路を切り開いているという段階です。 飯田)そうですね。 佐々木)コロナのときもそうでしたが、大きな災害では刻々と状況が変わるので、「これかこれ」という二者択一ではなく、状況に応じて少しずついろいろなことを行うのが大事です。 飯田)地域全体を管轄していた人に先日、話を聞いたのですが、能登は2007年にも地震があったので、いろいろ想定して計画を立てていたそうです。地理的に厳しいので、海から攻める方法が中心になると。その元幹部の方は、「私には当初の計画どおり動いているように見えた」とおっしゃっていました。 佐々木)今回のニュースを見ていると「計画通り、徐々に自衛隊を投入しているな」と肯定的に評価できると思いますが、真っ向から否定する人たちがいるのは不思議な感じがしますね。