女優・小野花梨1月期ドラマで初の単独主演 演技派女優がポスト”黒木華”からの脱皮に成功の納得理由
中学生の時、オーディションで……
小野花梨(26)が、’25年1月から放送が始まるドラマ『私の知らない私』(日本テレビ系)に単独初主演する。目が覚めると1年間の記憶を失っており、殺人の疑惑をかけられているウェディングプランナー・羽田芽衣役を演じる。さらに、来年のNHK大河ドラマ『べらぼう』にも重要な花魁役での出演が決まっている。 【若手演技派の共演】すごい!『罠の戦争』で共演した小野花梨と杉野遥亮の共演シーン 「演じるキャラクターやインパクトはそれほどないですが、気がついてみればあちこちのドラマや映画に出演し続け、毎クール必ずどこかで顔を見るほどの売れっ子になっていたという俳優がたまに出現します。小野さんもそんなタイプだと思います」(テレビ誌ライター) 小野の芸歴は古く’06年の8歳の時にドラマ『嫌われ松子の一生』(TBS系)で子役デビューを飾っている。その2年後の’08年には、映画『チーム・バチスタの栄光』で映画初出演も果たし、さらに同年5月に放送された木村拓哉(52)主演の月9ドラマ『CHANGE』(フジテレビ系)にもチョイ役ながら出演している。子役時代にキャスティングした映画会社の担当者は、当時の小野の印象について、 「当時中学生くらいだったと思いますが、オーディションでは、全員一致で即彼女に決まりました。何か光るものを持っていて、この子は絶対売れると確信しましたね」 と語った。その予想は当たり、小野の躍進は続く。’16年には『8月の家族たち August:Osage County』で初舞台を踏み、’21年10月に公開された映画『プリテンダーズ』で長編映画初主演を果たした。 「今年の大河『光る君へ』でも存在感を見せた見上愛(24)とのW主演で、小野は、引きこもり生活を送る17歳の少女を演じています。大勢の人の前の前で泣き叫び、男の前で全裸にもなりました。子供のような笑顔を見せる真っすぐな心を持っているのに、どこかひねくれてしまった少女が大人へと成長する姿を演じ、その演技は高い評価を得ました」(映画雑誌記者) ◆黒木華と姉妹? そして、同年後期のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』にて朝ドラ初出演を果たし、世間的にも一躍注目を浴びたのだ。’23年の日本アカデミー賞では、’22年公開の映画『ハケンアニメ』で演じた若き天才アニメーター役が高い評価を受け、新人俳優賞を受賞した。その経歴は実に輝かしいのだが、冒頭のコメントにもあるように、視聴者の記憶にしっかり残っているかといえば、そうでもない気がするのだ。 時たまSNSなどでは《黒木華さんに雰囲気の似ているあの女優さんは誰?》《黒木華と小野花梨、よく似てるけど姉妹?》などのコメントを目にすることもあり、“ポスト黒木華”との呼び声もあるが、なかなか主演ドラマにたどり着くことはなかった。確かに、演じる役柄もさまざまで、そのどれもを違和感なく演じており、演技の幅が黒木同様、広いことがことがうかがえる。小野がこれほどまでにドラマに起用される理由はどこにあるのだろうか。 「お芝居の上手さは昔から定評がありました。確かにどちらかと言えば目立たない女優ですが、それが良いのです。特にアイドル系では多く見られますが、日本の男子は媚びる女性を好む傾向にあると思います。でも小野さんは媚びることがない。最近では伊藤沙莉さん(30)や河合優実さん(23)などもそうですが、“脇”でしっかり光ることができる女優で、自分を貫いています。昔で言うと、田中裕子さん(69)や秋吉久美子さん(70)、桃井かおりさん(73)など、大女優と呼ばれるようになった人たちは媚びることがなかった。 逆にケンカを売るくらいでしたからね。また出演作品が増えているということは、小野さんの良さがわかる人が増えたということでしょう。ドラマなどでは、ついついCMにたくさん出演していたり、人気のアイドルなど目立っている人を起用しがちです。ですがそれでは良い作品は作れない。やはり“この役に合う”という俳優をキャスティングしなければその作品は成功しないと思います」(映画評論家) 逆に、小野の実力がドラマ制作サイドの認識を変えたのかもしれないという。 NHKの出演も多くなり、朝ドラに続いて大河とくれば、次はいよいよ“朝ドラヒロイン”なんて可能性も……。’25年も、小野の躍進はとどまることがないだろう──。
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