仲間やライバルと切磋琢磨…翼くんと同じ発想持っていた 『キャプテン翼』の漫画家・高橋陽一さん サッカー大国の魁 14代田邊五兵衛の生涯<番外編・下>
――女子は2011年に世界一になった
高橋 「決勝を現地で観戦し、澤さんが掲げた日の丸にサインを書かせてもらった。なでしこジャパンがW杯で優勝したときは、澤さんが翼くんだったんだと思った。女子のサッカーは可能性はすごくあると思っていた。それからレベルも上がって違うフェーズに入ったので、勝つのは難しくなった状況だが、世界のトップレベルなのは間違いない。もう一度トップに立ってほしい」
――翼くんが世界のトップに立つのは
高橋 「いつかは立たせたいと思う」
――別のインタビューで翼くんが国際サッカー連盟(FIFA)の会長になる可能性にも言及していた
高橋 「それは選手を引退してからなので、まだまだ先かな」
――Jリーグ入りを目指す南葛SC(スポーツクラブ)の代表も務めている。翼くんが小学生時代に所属していた選抜チームと同じ名前。どんなサッカークラブにしていきたいか
高橋 「ゆくゆくは世界に誇れる南葛SCになってほしい。まだまだだが、(地元に)スタジアムができて、毎試合のように大勢が訪れて超満員になり、楽しいサッカーをして、それが世界に伝わって…と夢を描いている。将来的には世界のトップチームが葛飾に来て、試合ができたらいいなと思っている」(聞き手・北川信行)
■キャプテン翼 「ボールはトモダチ」が信条の天才サッカー少年、大空翼が若林源三や日向小次郎、岬太郎ら多くのライバルやチームメートと切磋琢磨(せっさたくま)し、成長していく物語。「スポ根」に代わるスポーツ漫画として多くの読者を獲得し、テレビアニメは世界50カ国以上で放映。「ドライブシュート」「スカイラブハリケーン」などのスーパープレーも特徴。国内外の子供たちに大きな影響を与え、ヴィッセル神戸でプレーした元スペイン代表のアンドレス・イニエスタや、ブラジル代表のネイマールらファンを公言している選手も多い。
■高橋陽一 1960年7月28日生まれ、東京都葛飾区出身。80年に読切『キャプテン翼』で漫画家デビュー。同シリーズは累計発行部数9千万部を超え、国内外のサッカー選手に大きな影響を与えた。関東1部リーグ、南葛SCのオーナー兼代表。2023年に日本サッカー殿堂入り。