さらばピッチの演出家!松井大輔氏の引退試合に元日本代表ら60人超「人生の先に進めるように」
「松井大輔引退試合、MATSUI FRIENDS6-12JAPAN DREAMS」(15日、ニッパツ三ツ沢球技場) 【写真】サッカー界のレジェンドも来た! スーツスタイルが渋すぎ サッカーの京都、欧州、磐田、横浜FCなど6カ国13のクラブでプレーし、昨季限りで現役を引退した元日本代表MF松井大輔氏(43)の引退試合が15日、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で行われた。元日本代表FW三浦知良(57)らかつてのチームメートや、元日本代表MF香川真司(38)ら60人超の豪華メンバーが集結。試合終盤には、親交が深い元日本代表DF駒野友一氏(43)に、PK戦で失敗した2010年W杯南アフリカ大会のリベンジ機会を設ける粋な演出などで、約1万人の観衆を湧かせた。 涙はなく、終始表情は晴れやかだった。自身の引退試合を彩る豪華メンバーとともに縦横無尽にピッチを駆け抜け、7ゴール1アシストの大活躍で23年間の現役生活を締めくくった松井氏。「自分の好きな選手だったり、いろんな方々に見送られて本当に幸せな時間を過ごさせてもらった」と振り返った。 試合終了間際、人望が裏付けられるような瞬間が訪れた。松井氏のチームがPKを獲得。主役が決めて終了…誰もがそう思ったが、松井氏は小学6年から親交のある駒野氏にボールを渡した。駒野氏は14年前のW杯南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦、パラグアイ戦でPKをクロスバーに当てて失敗。日本敗戦の責任を受け止める親友の姿を間近で見てきただけに「払拭できれば」と、その瞬間だけ主役の座を譲った。 駒野氏は落ち着いてゴール左にPKを決め、松井氏と抱き合った。「自分の引退試合かのように思った。(解放感が)ありましたね」と駒野氏。“脚本家”の松井氏は「(駒野氏が)人生の先に進めるように。たくさんの人が喜んでくれる演出が、ちょっとはできたのかな」と笑みを浮かべた。 自身も“カズ”こと三浦氏とのコンビネーションから2得点。ファーサイドの本田にクロスをあげて得点をアシストした、14年前のW杯カメルーン戦を再現するプレーを披露するなど、しっかり目立った。「一緒にピッチに立ちたいなと思っていた。実現してよかった」とカズ。本田は「今までで一番記憶に残っているゴール。それが大(松井)さんのアシスト」と感謝を口にした。 今後は「日本代表を輩出できれば」と指導者の道へ意欲を示した松井氏。多くの人に慕われた人格者が、第二のサッカー人生に歩みを進めた。