徳之島、樟南第二16強ならず 高校野球鹿児島大会 奄美勢姿消す
第106回全国高校野球選手権鹿児島大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)第8日は16日、鹿児島市の平和リース、鴨池市民両球場で16強を懸け2回戦6試合があった。奄美勢は徳之島が伊集院に1―2のサヨナラ負け、樟南第二は鹿児島実業に1―8の八回コールドで敗れた。これで奄美勢7校6チームはすべて姿を消した。 ◎徳之島、最終回に泣く 徳之島は1点リードの九回に逆転サヨナラ負け。地頭所眞人監督は「(選手たちに)勝たせないといけない試合だった。言葉が出てこない」とぼうぜんとした様子で話した。 先発投手は長尾涼(1年)。持ち前の打たせて取る投球で八回まで被安打2の好投を見せると、伊集院の投手も計13個の三振を奪う投手戦になった。 五回には二盗を決めた勝亮翔(3年)が盛悠也(同)の中前打で生還した。均衡を破る1点を先制し主将の勝は「うまくいかない中、得点できてみんな一気に盛り上がった」と流れをつかんだ。 このまま終わるかと思われた九回裏、伊集院最後の攻撃で同点に追い付かれると、最後は内野安打で相手に得点を許し逆転負けを喫した。 勝は「序盤に崩れる場面や、(捕手の負傷による交代の)トラブルもあったが粘り強くできた。最後の最後で少しずれが出てしまった」と話し、一人で投げ切った長尾は「悔しい。相手もすごく良い投手なので負けられないと思った」と振り返り、今後については「自分から引っ張ってチームを勝たせられるようになりたい」と前を向いた。
◎樟南第二、強豪相手に失策ゼロ ミスから崩れることが多いという樟南第二。「負けてたまるか」の精神でシード校の鹿児島実業を相手に八回まで失策ゼロで戦い抜いた。 投手は衛獅心(2年)、牧園剛弥(3年)と継投。七回、2点取られたらコールド負けの場面で「最後は主将で」(我那覇悟志監督)と後を託された德田幸伸主将(3年)は「絶対に抑える」と1失点で乗り切り八回まで投げ切った。 3点を追う五回には塁に出た叶福稔(3年)が勇田大珠(同)の右前打で生還し待望の1点を挙げることもできた。 我那覇監督は「五回まではなんとかゲームになったが、最後は弱気になってしまった。自分から崩れずエラーが無かったのは大きい。だいぶ成長した」と選手をたたえた。 德田は「九回までは行きたかった。悔しさは残る」と話しながらも2試合で失策ゼロの結果に「守備で崩れることがなかった。3年間をいい形で終われた」と振り返った。