“運転する楽しさ”で人気、歩道を走れるスクーター「WHILL Model S」の魅力とは?【次世代モビリティ最前線! Vol.1】
支持される背景には自動車ディーラーでの販売と手厚いサポートとが関係?
現在、WHILLの取扱店舗は、全国で3000店となっているが、Model Sの販売で大きな力となっているのが、全体の4割越えとなる1300店の自動車ディーラーだ。ディーラーは、クルマを通じて育んだユーザーと人間関係に加え、生活環境も熟知しているため、ユーザーも乗り換え相談がし易く、その後のメンテナンスなども安心して任せられる環境を維持できる。逆にディーラー側からすれば、顧客とのご縁が続くため、WHILLの販売やメンテナンスだけでなく、家族向けなどの将来的なクルマの販促にも繋がる可能性も高い。まさにウインウインの関係なのだ。 価格については、購入し易さを重視した。安価とは言えないものの、電動アシスト自転車と原動機付自転車の間を目指し、25.7万円(※消費税非課税)からとした。他社のシニアカーよりも手頃な価格である点も強みとなっている。 価格以外の強みとなっているのが、サービスだ。WHILLは自動車任意保険のような保険サービスやロードサービスを提供し、Model S専用サービスとなる「WHILL Family Service」では、車両とスマートフォンアプリによる連携でバッテリー残量や位置情報などを管理。最大5人まで専用アプリによる位置情報や走行ログなどを共有可能。さらに車両が転倒時の通知サービスもある。このように、家族も安心してModel Sを活用してもらえる仕組み作りも行っている。
「運転する楽しさ」が残されていることが嬉しい!
実際に、公道を試乗してみた。運転操作は非常に簡単で、キーによる電源ONで発進が可能となり、加減速は1本のレバー操作のみだ。手前に引くと加速し、離せば瞬時に減速し、停車する。前進と後退は、左右のレバーで分かれているので間違いにくい。さらに速度調整はレバーではなく、コントロールパネルにある専用ダイヤルで行うため、不用意に加速する心配もない。その走りは、小さなタイヤだが、非常に安定している。段差も7.5cmまで乗り越えられるので、車道と歩道にある段差でもスムーズ。その際の衝撃も、しっかりと吸収してくれるサスペンションも備えているのも良い。ステアリング操作感覚は、バーハンドルタイプの自転車に近いが、しっかりとして手応えがあるため、微調整もし易かった。慣れてくると、ちょっとドライブに出掛けてみたくなった。最高速度は時速6kmなので、速さはない。ただ走ると心地よい風が感じられ、運転する楽しさを感じた。個人的には、サーキットなどの広い会場を取材する際の移動手段に使ってみたくなった。