口座売買すると、あなたも犯罪者に… 詐欺などに悪用 青森銀行の「取引停止」増
青森県内で詐欺被害が相次ぐ中、銀行口座が詐欺などに悪用されるケースが増えている。青森銀行によると、口座売買が疑われるとして取引を停止した青銀の口座は2024年1~11月で52件(前年同期比15件増)に上り、20年以降で最多。交流サイト(SNS)上では、闇バイトの一つとして「口座高額買取中」などと勧誘する投稿が後を絶たず、青銀は「誘いに乗らないで」と注意を呼びかけている。 県警によると、特殊詐欺の振込先などとして犯罪に悪用される口座は「飛ばしの口座」と呼ばれる。報酬を得て第三者に不正に提供するなどし、口座売買に加担すると、詐欺罪や犯罪収益移転防止法違反罪などに問われる可能性がある。 青銀によると、口座売買の疑いで取引を停止した口座は20年が30件、21年36件、22年34件、23年37件と増加傾向にある。一方、みちのく銀行では今年の取引停止口座が11月末現在で21件(前年同期比3件減)となっている。 青銀では連日、行員が顧客の口座に異変がないかをチェック。県外のATMで高額の入金・出金があった場合などは顧客に事情を聞き取り、口座売買が判明した際は取引を停止し、強制解約するという。 9日は、県内に本店を置く金融機関からなる「県マネー・ローンダリング(資金洗浄)等対策会議」が県警と協力し、青森市の青銀本店で広報活動を実施。窓口などで「通帳・キャッシュカードの売買は犯罪です!」などと書かれたチラシを来店客に配った。チラシは今月いっぱい、県内の金融機関で配布する予定。 青銀本店営業部の酒井英憲営業第一部長は「万が一、口座を売却してしまうと銀行では新たに口座をつくることはできなくなる。『口座を売りませんか』という呼びかけには絶対に応じないで」と語った。 県警捜査2課によると、県内の今年の特殊詐欺被害認知件数は、12月8日現在で90件、被害額約1億7034万円。SNS型投資詐欺は26件、約1億7067万円で、SNS型ロマンス詐欺は35件、約2億3736万円に上っている。